• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2002 年度 実績報告書

次世代酸化カルシウム系脱硫・脱硝剤の開発

研究課題

研究課題/領域番号 11218207
研究機関岡山大学

研究代表者

笹岡 英司  岡山大学, 環境理工学部, 教授 (50033246)

キーワード石炭高効率燃焼 / 石灰石 / 生石灰 / 多孔質生石灰 / 脱SO_x・N_2O剤 / 脱NO_x剤 / 脱N_2S剤 / 硫酸カルシウムの硫酸塩・酸化物化
研究概要

昨年度までに、マクロポーラス酸化カルシウムの調製法として、酢酸膨潤法、水蒸気膨潤法水膨潤法、さらに水、酢酸膨潤法を見出した。他方、低温乾式同時脱硫、脱硝剤としての酸化カルシウムの可能性を明らかにし、その反応機構も明らかにした。さて、これまでに開発した調製法を用いることにより、同一石灰石から種々の細孔構造をもつマクロポーラス酸化カルシウムの調整が可能になったことから、細孔構造の影響を詳細に検討することが可能になった。そこで、脱硫(脱SOx)剤の設計の指針として最も重要な細孔構造の影響を明らかにする研究を昨年度末から開始した。その結果、石炭の常圧流動層燃焼炉における酸化カルシウムの細孔径分布と脱硫活性の関係さらに、高炭酸ガス雰囲気下で炭酸カルシウムとSO_2とが反応することから、炭酸カルシウムの細孔構造と活性の関係を明らかにし、高活性脱硫剤の設計指針を確立した。本年度さらに、硫化カルシウムの硫酸カルシウム・酸化カルシウムへの変換に関する基礎研究に重点を置いて研究を進めた。すなわち、高温脱H_2Sで酸化カルシウムを用いた場合、脱H_2Sの結果生成する硫化カルシウムを廃棄する前に硫酸塩に変換する必要がある。しかし、硫化カルシウムの硫酸塩、酸化物への変換反応の詳細が不明であったことから、この反応のメカニズム解明に重点をおき、反応に、試薬高純度のCaSとトレサーとして同位酸素(18酸素)の水を用いて検討した。その結果、水蒸気共存下の反応の反応のメカニズムをほぼ解明した。これらの検討から、水蒸気をうまく反応に関与させることにより、1000℃以下の低温で硫化カルシウムをル硫酸カルシウムと酸化カルシウムに変換できることを明らかにした。通常脱硫剤(脱H_2S)で用いられ、生成した硫化カルシウムは1300℃付近以上の高温で酸素により酸化分解されている。したがって、本研究の結果を利用すれば著しく酸化分解温度を下げられることになる。さらに、生石灰を脱硫剤として用いた場合、細孔構造の改質により、850℃と脱硫温度と同一の比較的低い温度で水蒸気と酸素により硫化カルシウムをほぼ完全に酸化分解することに成功した。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] L.Zang, Y.Ninomiya, E.Sasaoka, et al.: "In situ desulfurization during combustion of high-sulfur coals added with I sulfur capture sorbents"Fuel. 82. 255-266 (2003)

  • [文献書誌] S.Wu, E.Sasaoka, et al.: "Effect of the Pore-Size distribution of Lime on the Reactivity for Removal of SO_2 in the Presence of high-Concentration CO_2 at High Temperature"Industrial & Engineering Chemistry Research. 41. 5455-5458 (2002)

  • [文献書誌] M.Sakai, E.Sasaoka, et al.: "Simultaneous Removal of SO_x and NO_x Using Slaked Lime at Low Temperature"Industrial & Engineering Chemistry Research. 41. 5029-5033 (2002)

  • [文献書誌] S.Wu, E.Sasaoka, et al.: "Preparation of Macroporous Lime from Natural Lime by Swelling Method with Water and Acetic Acid Mixture for Removal of Sulfur Dioxide at High-Temperature"Industrial & Engineering Chemistry Research. 41. 135-1356 (2002)

  • [文献書誌] S.Wu, E.Sasaoka, et al.: "Role of Water Vapor in Oxidative Decomposition of Calcium Sulfide"225th American Chemical Society Symposium Clean Coal Technology. (CD-ROM). 1-2 (2003)

URL: 

公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi