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2000 年度 実績報告書

高分解能大気大循環化学モデルの開発と成層圏物質循環の研究

研究課題

研究課題/領域番号 11219202
研究機関東京大学

研究代表者

高橋 正明  東京大学, 気候システム研究センター, 教授 (70188051)

研究分担者 佐藤 薫  国立極地研究所, 北極圏環境研究センター, 助教授 (90251496)
秋吉 英治  , 環境庁・国立環境研究所, 主任研究員 (10270589)
中島 映至  東京大学, 気候システム研究センター, 教授 (60124608)
キーワード成層圏化学過程 / 極成層圏雲 / 大気大循環モデル / オゾンホール / 臭素系物質 / ナッジング / 高分解能水惑星モデル / 重力波
研究概要

大気大循環モデルに成層圏化学過程を導入している。オゾンホール生成に必須な極成層圏(PSC)の導入をおこなった。これは2つのタイプの雲を仮定している。1つは硝酸水和物が成分であり比較的ちいさな粒子と言われている、もう一つは比較的おおきな氷粒子を仮定している。そのPSCをモデルで予報している温度、硝酸蒸気、水蒸気の量で評価して、可飽和のときは雲が作られ、可飽和でないときは蒸発するようにモデルで自動的につくられている。だたし水蒸気は予報しているがモデルに問題があり、現在のところ観測の水蒸気に近付くような方法で現実的な水蒸気量を予報している。このモデルを用いて、現況におけるオゾンホールをシミュレートしている。おおわく、観測と同程度の減少量をしめすオゾンホールを再現することができた。オゾン減少量もきちんと化学過程により減少されている。また、北半球においてもわずかながらのオゾンホールがつくられて、観測とそれほど違いはない。ただし、モデルでは南極オゾンホールの期間が1月ほど遅れて出現しており、これは今後のモデルの改良が必要である。
臭素系物質及び硫酸/硝酸/水から成る3成分系液滴極成層圏雲を新たに導入したCCSR/NIESナッジング化学輸送モデルの開発を行った。このモデルを用いて、これらの物質のオゾン破壊に対する影響を、1997年について調べた。臭素系物質の気相反応及び不均一反応によるオゾン破壊は、不均一反応によって活性化された塩素によるオゾン破壊を含めた全オゾン破壊量のうち、北極域で30〜40%を占めることがわかった。
高分解能水惑星モデルでシミュレートされた冬季極域成層圏の重力波の解析を引き続き行った。前年度の解析で極夜ジェットの曲率が大きな領域で重力波が発生していること分かった。今年度はこれを定量化するため、局所ロスビー数の定義を新たに考え、これとは独立で重力波を特徴づける発散場との対応を調べた。その結果、地衡風調節による重力波の発生がほぼ明らかとなった。さらに等価緯度座標を用い、極渦内外での重力波の特性の違いを詳しく調べた。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Sato,N.and M.Takahashi: "Long-term changes in the properties of summer precipitation in the Tokyo area"Tenki (in Japanese). 47. 643-649 (2000)

  • [文献書誌] Zhao,N.,Y.Ding and M.Takahashi: "Wave dynamics of super cloud clusters over the tropical region."Dyn.Atmos.Ocean,. 33. 79-94 (2001)

  • [文献書誌] Baldwin,M. et al.,: "The QUASI-BIENNIAL OSCILATION"Rev.Geophys.,. (in press). (2001)

  • [文献書誌] M.Yoshiki and K.Sato: "A statistical study of gravity waves in the polar regions based on operational radiosonde data."J.Geophys.Res.,. 106. 17996-18011 (2000)

  • [文献書誌] K.Sato: "Sources of gravity waves in the polar middle atmosphere"Adv.Polar Upper Atmos.Res.,. 14. 233-240 (2000)

  • [文献書誌] Akiyoshi,H.: "Modeling of chemistry and chemistry-radiation coupling processes for the middle atmosphere and a numerical experiment on CO2 doubling with a 1-D coupled mode."J.Meteor.Soc.Japan. 78. 563-584 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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