研究課題/領域番号 |
11220201
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研究種目 |
特定領域研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 東京大学 (2000-2002) 北海道大学 (1999) |
研究代表者 |
榊原 俊郎 東京大学, 物性研究所, 教授 (70162287)
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研究分担者 |
上田 和夫 東京大学, 物性研究所, 教授 (70114395)
大川 房義 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (00107442)
網塚 浩 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (40212576)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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キーワード | 多重極秩序 / 中性子散乱 / 1軸応力効果 / 磁場誘起ギャップ / 充填スクッテルダイト / 金属絶縁体転移 / 隠れた秩序変数 / 軌道縮退 |
研究概要 |
本研究課題では、f電子化合物における軌道の自由度に由来する相転移現象や種々の異常な磁気的振舞い、特に反強四重極秩序、隠れた秩序変数、金属絶縁体転移などについての実験的・理論的研究を行った。 f電子系における特徴的な軌道整列現象である反強四重極転移については、典型物質であるPrPb_3について磁気相図を決定し、転移温度が磁場方向に応じて異方的に増大することを見出した。また、この振舞いが反強四重極相において磁場誘起される磁気モーメント間の相互作用で説明出来ることを示した。 秩序変数が未知のCe_xLa_<1-x>B_6のIV相およびURu_2Si_2について詳しく調べた。Ce_xLa_<1-x>B_6では軸性応力下での磁化測定を行い、[100]方向の軸性圧力によってIV相に顕著な磁気異方性が出現することを見出した。これはIV相の秩序変数が本来、異方的な性質を有することを強く示唆し、その可能性としてガンマ5型の八重極秩序が考えられる。弱い反強磁性相と考えられていたURu_2Si_2の秩序状態について圧力下の中性子散乱実験を行った結果、低温圧力下の秩序状態が反強磁性と非磁性2相の非平衡共存状態にあること、反強磁性が圧力によって増強することがわかった。また正方晶主軸を延ばす歪みに対して反強磁性が特に著しく増強される事を明らかにした.URu_2Si_2の非磁性の秩序変数はいまだ未知ではあるが、圧力効果の結果は理論設定に対する条件をかなり狭めることができたと言える。 充填型スクッテルダイトPrRu_4P_<12>で見られる金属絶縁体転移に関して、非クラマース二重項の縮退を結晶変形によってとく理論を構築した。Yb_4As_3で見出された磁場誘起ギャップについては、交替的ジャロシンスキー守谷相互作用によるとする理論を構築した。
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