研究分担者 |
楠瀬 博明 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (00292201)
酒井 治 都立大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (60005957)
斯波 弘行 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (30028196)
山上 浩志 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (20239867)
播磨 尚朝 大阪大学, 産業科学研究所, 助教授 (50211496)
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研究概要 |
軌道自由度の存在する系について,次のような角度からの理論的研究を行った。 ・立方対称性を持つCeB_6などを対象にした対称性の考察により,この系における八重極間の相互作用は,双極子や四重極間の相互作用と同程度の大きさが期待できることを示した。この考察に基づいて,Ce_xLa_<1-x>B_6で現れるIV相の秩序変数は八重極モーメントであると提案し,IV相の弾性異常を説明した。 ・新しい強磁性体Ca_<0.995>La_<0.005>B_6の研究を対照的な2方向から行った。まずバンド計算の見直しを行い,二価金属Dの種類によって電子構造がどのように変化するかを論じた。一方強磁性の機構については,強相関の極限で生ずる二重交換相互作用との類似に注目して強磁性の出現条件を探った。 ・磁気モーメントが平行にならない場合や,スピンと軌道の寄与を取り入れることができるようにバンド理論を発展させた。またバンド理論の立場から,Ca_<0.995>La_<0.005>B_6と,スクッテルダイド型化合物PrRu_4P_12の半導体的挙動との類似性を指摘した。 ・Yb_4As_3の電荷秩序相を記述する有効ハミルトニアンを導出し,単純なハイゼンベルグ模型からのずれが重要であることを指摘した。これにより低温での磁場中比熱,帯磁率,熱膨張にあらわれる励起ギャップの説明をした。 ・多極子間の結合が原因となって,TmTeでは反強磁性に伴って強磁性も誘起されることが明らかにし,新しい実験結果を説明した。
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