研究課題/領域番号 |
11220205
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
後藤 輝孝 新潟大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (60134053)
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研究分担者 |
長谷川 彰 新潟大学, 理学部, 教授 (40004329)
根本 祐一 新潟大学, 大学院・自然科学研究科, 助手 (10303174)
DONNI Andress 新潟大学, 理学部, 助教授 (50292199)
家富 洋 新潟大学, 理学部, 助教授 (20168090)
草部 浩一 新潟大学, 大学院・自然科学研究科, 助教授 (10262164)
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キーワード | 軌道秩序 / 超音波 / 希土類化合物 / 四重極子 / 遷移金属化合物 / 巨大磁気抵抗 / 電荷秩序 / 電荷グラス |
研究概要 |
後藤班では超音波による軌道秩序と揺らぎの研究を行い、4f電子系と3d電子系との相違点を明らかにすることを目的としている。軌道縮退がもたらすCe_xLa_<1-x>B_6、の四重極子秩序と揺らぎの研究は最も重要課題であり、とくに極低温実験を推進し、超音波、比熱測定を行っている。単結晶試料は國井(東北大)によって供給されている。x=0.75のIV相の秩序状態の本質、極低温での近藤効果との競合などが解明すべき課題である。新潟大では新たに希釈冷凍機による超音波測定が可能となり、Ce_xLa_<1-x>B_6の極低温での基底状態の解明を進める。弾性定数の磁場依存性による相図の決定、磁歪の精密測定など実験が進み始めた。また、横波C_<44>の超音波吸収による動的揺らぎの決定も実験準備を進めている。HoB_6は強四重極子秩序の典型であり、Donni(新潟大学)の中性子線散乱、超音波、磁歪などの研究により、四重極子秩序の磁場依存性を解明する。遷移金属化合物における軌道秩序(四重極子秩序)の重要な課題であり、La_xSr_<1-x>MnO_3の超音波実験を推進させている。Mn^<3+>イオンのd(eg)二重項と(C_<11>-C_<12>)/2との結合が重要である事が明らかとなってきた。Pr_<1-x>Ca_xMnO_3やYVO_3の超音波実験も開始した。ドープされたMn^<4+>イオンの電荷秩序や揺らぎも超音波で観測され、新しい課題となってきた。これらは、富岡(JRCAT)、朝光、十倉(東大)、有馬(筑波大)との共同研究である。一次元磁性鎖を示すYb_4As_3の電荷秩序と揺らぎの研究を進めている。超音波によって見いだされたソフトモードと結合する電荷揺らぎモードが凍結すると理解できる。また、Sm_3Te_4は電荷グラス状態であり、InTに比例する弾性定数の極低温でのソフト化は4f電子のトンネルによる二準位系と解釈できる。試料は落合(新潟大)によって供給された。本領域研究は2年半と短期間であり、既存の設備による成果を急ぐ必要がある。新潟大は幸運にも昨年度に導入した希釈冷凍機が立ち上がり、本領域研究で威力を発揮できる。新規の希土類化合物の開発のためモノアーク炉を導入した。また、並列計算による軌道・電荷状態の解明のため、計算機システムを設置した。
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