研究分担者 |
渡邊 忠雄 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (40005327)
一條 健司 弘前大学, 理工学部, 助手 (30312482)
佐藤 裕之 弘前大学, 理工学部, 助教授 (10225998)
木村 久道 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (00161571)
増本 博 東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (50209459)
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研究概要 |
本研究での開発目標は,まず、センサ・アクチュエータ機能を有する能動応答型要素材料とそれらの材料協調設計手法による複合機能材料化を実現するための(I)金属系複合機能材料および(II)多層構造膜系材料設計・開発グループに分かれる。以下の各分担テーマ(研究者)においておのおの研究成果が得られている。 I.金属系複合機能化要素材料開発: I-1.電磁浮遊熔解ノズルレス急冷凝固法の装置設計・製作,最適制御化(古屋)を行い、電磁ノズルレス双ロール急冷法と単ロール液体急冷装置組み立て試運転から、線径0.03〜0.1mm,板厚30〜120μm,幅2〜20mm、長さ1mm〜30cmまでの幅広い金属系要素材料の作成が可能になるメドがつきつつある. I-2.感熱型形状記憶合金の高性能化(古屋,木村) 形状記憶合金(SMA)アクチュエータ関係では,室温型Ti50Ni50,Ti50NiCu(0〜20at%)(変態温度Tr.=40〜70℃)高温型ではTiNiPd(Tr.=100〜150℃)の急冷凝固材薄板の作成できた.さらに,高温強化要素材用のNiAlMn,NiAlMnFeでTr=300〜540℃の高温側オーステナイト逆相変態点を実験で確認済である。また、新しい磁性記憶合金であるFe-30at%Pd合金系急冷薄帯板で温度,磁場可変薄板片持梁振動計(米国製)を用いて,いままで不明の点が多く残されている磁性形状記憶合金の相変態,減衰,磁歪特性を熱処理組織を変えながら追跡し,極めて短時間(15分程度)の大きな結晶異方性組織で大きな磁歪特性が得られることを再確認中である. II.多元系薄膜の作成プロセス装置設計・製作(増本) 多元複合膜作成分担(増本)では,現在,その独自な装置設計に基付いて装置一式を制作中であり,3月中には大学に設置予定で進めている.なお,増本らも,研究対象となる機能性薄膜の基板上に上手に作成するための,予備実験を旧来の2元系薄膜装置用いて行っている。 III.複合機能化材料組織解析・特性評価 III-1.結晶粒界性格分布解析(渡邊) III-2.複合化のための要素材料の特性評価・データ解析(古屋,佐藤,一條) 急冷効果により,極めておおきな結晶異方性(微細柱状結晶集合組織)が出来てくることが、電子線反射テャンネリングパターン結晶(SEM/EBSP)解析で明らかになり、結晶内部のマルテンサイト双結晶の核発生やその界面の移動しやすさが増して、大きな形状記憶効果が現れてきたものと考察している。しかし、もっと大きな形状記憶相変態ひずみは、急冷後、短時間焼鈍で得られる結果も得られてきていることから、最適な形状記憶合金のアクチュエータ特性が得られる金属組織形態指針を再確認中である.
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