研究課題/領域番号 |
11221202
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
花田 修治 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (10005960)
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研究分担者 |
相原 智康 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (00231100)
村山 洋之介 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (60111308)
正橋 直哉 東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (20312639)
吉見 享祐 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (80230803)
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キーワード | 超高温材料 / 強度 / 靭性 / 耐酸化性 / 複合鋼板 / 生体用形状記憶合金 |
研究概要 |
1)超高温材料の開発 超高温材料では少なくとも高温強度、室温靭性、耐酸化性の三つの機能が協調的に発現されなければならない。多くの材料ではこれらの機能は相反的で、強度を上げれば靭性が低下し、耐酸化性を上げれば強度が低下する。そこで、まず、優れた高温強度をもつTiCまたはZrCに延性的なNbまたはMoをin-situで複合化し、強度と靭性を協調させることを試みた。創製したZrC/Mo in-situ複合材料は、1600K以上では単相ZrCより高い強度をもち、単相ZrCに比べ著しく強靭化する(室温靭性は約14MPa√<m>)ことから、高温強度と室温靭性を両立させる協調設計の指針が得られた。耐酸化性に関してはMo-Si-Bの酸化実験からSiとBの酸化物複合体の生成が耐酸化性向上に有効であることが確認された。 2)Fe-Al系金属間化合物を利用した複合鋼板の開発 耐酸化性、耐硫化腐食性に優れるFe_3Alを鉄鋼材料と協調的に複合化するための基礎実験として、純鉄とCr添加Fe_3Al金属間化合物の拡散接合を1223Kにて行なった結果、拡散時間が48h以上では接合性は良好で、界面近傍から純鉄側へ幅数mm程度の舌状の結晶粒の成長が観察された。またCr濃度の増加は相互拡散を促進し、アルミナイドから純鉄への長距離にわたる組成傾斜化を引き起こした。本複合材は良好な界面特性を呈すると考えられる。 3)生体用形状記憶合金の開発 TiNi系形状記憶合金は現在広く使われているが、人体に有害なNiを多量に含有しているため生体用の用途には不適であり、今後使用が禁止される可能性が極めて高い。そこで、生体用各種アクチュエーターその他の適用を考慮して、Niを全く含まない形状記憶合金Ti-Nb-Snを開発し、優れた形状記憶特性を示すことが確認された。
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