研究概要 |
1.単分散球形粒子の作製:申請者らの考案になるパルスオリフィス噴射法による単分散球形粒子作製装置を設計・作製し、合金系球形粒子の作製条件を明らかにした。2.粒子配列体の機能発現についての検討:パーコレーション制御および傾斜機能制御に注目し、配列構造と機能発現の関係について検討し,電気伝導率やゼーベック係数のような伝導に関わる機能特性の発現には、およそ1000個の粒子の配列で十分であることを明らかにした。3.粒子配列実験:吸引ペン搬送方式,テンプレート流し込み方式および線状配列方式による粒子配列実験を行い,それぞれについて,粒子配列条件を決定した。4.スラリーディスペンサー方式による複合構造の構築:粉体スラリーをディスペンサーにより噴出配列する方式を考案した。一回で噴出するスラリー滴のサイズは0.5□2mm程度であり、組成制御領域サイズに限界はあるが、原則として材料種に制限がないことや比較的迅速に複合構造が構築できることを確認した.5.粒子配列体のボンディング形成機構と機能発現の確認:球形粒子の焼結ネックは(1)同種粒子間、(2)異種粒子間ネックの他に、(3)偏析を伴うネック、(4)第3相が出現するネックの4種類が存在する。それぞれについてその形成機構を明らかにした.また,ボンディング処理を施したBi-Sb系粒子の線状配列体のゼーベック係数を測定し,室温近傍におけるゼーベック係数は単結晶のデータと同等あるいはわずかながら大きい値を示すことを明らかにした。6.圧電セラミックスの傾斜機能化:屈曲モードを発現するユニモルフおよびバイモルフ型圧電アクチュエーターについて誘電体/非誘電体の傾斜機能化を試み、材料力学的な計算から予測される理論値とほぼ一致する屈曲変位を得た。7.セラミックスの複合組織形成:Al203-YAG系共晶セラミックスの放電プラズマ焼結を行い,等方的な共晶を得た.共晶界面の分布と機能複合化の関係を明らかにした.
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