研究課題/領域番号 |
11221205
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
榎 学 東京大学, 先端科学技術研究センター, 助教授 (70201960)
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研究分担者 |
武田 展雄 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (10171646)
森 久史 , 財団法人・鉄道総合技術研究所, 研究員
岸 輝雄 工業技術院, 産業技術融合領域研究所, 所長(研究職)
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キーワード | 協調システム材料 / スマート材料 / 非破壊評価 |
研究概要 |
本研究では、金属と金属間化合物が交互に積層した人工的なラメラ組織の複合材料を作製することにより、これらの材料系の開発を行った。このような積層構造にすることにより、破壊靭性およびき裂進展抵抗の大幅な向上が期待される。また延性相において塑性変形が生じることにより、き裂周りのプロセスゾーンの増大の効果がある。そして、これらの機構が複合して生じて、大きな靭性の向上が期待される。本研究においてはこのような概念に基づいて、Ti/Ti-Al積層複合材料の開発を行う。上述のように、これらの金属間化合物は単体においては非常に脆性であり、構造材料としての利用は非常に制限される。そこでこれらの金属間化合物を金属単体と積層させることにより、種々の高靭化機構を発現させ、実用に耐え得るような構造材料の開発を目指す。そのために、本研究ではまず常温での破壊靭性が30MPam^<1/2>を越えるような実用的な材料を作製する。もちろんこれらの材料は高温での使用を想定されているが、多くの応用においては常温でも十分な靭性を有することが必要とされ、また常温靭性の方が低いと考えられるので、ここでは十分優れた常温靭性を有する、最適な相組成、相厚さ、作製条件を明らかにすることを目的とした。 TiシートおよびAlシートを出発素材として、ホットプレスを用いてTi/Ti-Al積層材料の作製を行った。作製された層の同定およびその生成機構について熱力学的な考察を行い、相の組成および厚さを制御するための温度、圧力、時間に関する条件を求めた。また同時に巨視的な破壊靭性値およびき裂進展抵抗を求めさらにはき裂進展の様子をin-situ観察することにより破壊機構についての知見を得た。
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