研究概要 |
超高温耐熱材料としてC40型NbSi_2とC11_b型MoSi_22相シリサイドを用い,組成,結晶成長速度を調整することによりC40単結晶化が可能であり,その後1400℃近傍での長時間焼鈍により相界面を制御し,方向制御層状組織の作製に成功した。この際,層界面の整合性を制御することにより,著しい高温強度の上昇と変形能が改善された。 また,Fe-Ni合金について,傾角粒界およびねじり粒界を有する双結晶を用い,マルテンサイト変態への結晶粒界の役割を調べた。傾角粒界はねじり粒界に比べてマルテンサイト変態の核生成サイトとして強く作用することが明らかとなった。また,残留歪導入,応力負荷条件でも同様の実験を行った。結果,これらの外部環境の変化がマルテンサイト変態へ著しく寄与し,その際結晶粒界にマルテンサイトが生成した際の形状変化で理解される。すなわち,応力負荷に依存して粒界に生成するマルテンサイトのバリアントの選択,制御が可能となった。 また,磁気応答型形状記憶合金であるFe-Pd合金について,粒界構造のマルテンサイト変態,磁歪への効果を調べた。微細等軸粒と柱状晶を有する合金について磁場負荷によるマルテンサイト変態ならびに変態に伴う磁歪の変化を調べた結果,等軸粒の粒界は著しく変態を抑制し,変態歪は小さい。一方,柱状晶の場合,粒界は磁歪発生の障害とはならない。これは,粒界での変態の際の形状変化を考えることで説明できることを明らかにした。
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