研究分担者 |
末澤 正志 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (00005919)
石山 武 岡山大学, 工学部, 助手 (40314653)
山下 善文 岡山大学, 工学部, 講師 (80251354)
望月 康則 日本電気(株), 基礎研究所, 研究マネージャー
押山 淳 筑波大学, 物理学系, 教授 (80143361)
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研究概要 |
本研究は、種々の電子励起効果のうちで、イオン化による荷電状態変化の効果に焦点を絞り、これによる欠陥の生成、局所構造変化、分解、移動など原子移動の機構を実験的・理論的に解明し、それを利用して原子移動を制御することを目的とし、Si,SiO_2,Ge,GaAs,GaN系結晶やデバイス構造中の点欠陥、転位、水素関連欠陥を対象として研究を行い、以下のような知見を得た。 1.Si中の水素-炭素ペア-に関して、一軸性応力によるペア-電子準位の変化を測定し、欠陥構造との関連を明らかにした。炭素近傍での水素の応力誘起移動の活性化エネルギーに対して水素の荷電状態が大きく影響することを明らかにした。 2.Si中の水素と原子空孔との複合欠陥を光吸収法により同定し、空孔の形成エネルギーを決定した。 3.Si中の鉄-アクセプタ対の光照射下における再結合促進反応の活性化エネルギーが、光を照射しない場合の約1/10に減少することを見出した。また、その値がアクセプタの種類に依存することを明らかにした。 4.Siエピ膜中でErに関連した中心の発光スペクトルを観測し、その発光強度が最大となる成膜条件,熱処理条件を明らかにした。 5.Siのpn接合中の欠陥を電気的検出磁気共鳴(EDMR)法により検出し、その欠陥を同定した。 6.Si,Ge,GaAs中、Si_<1-x>Ge_x/Siヘテロエピ膜中の転位運動に対する水素の影響を系統的に研究し、運動促進効果が発現するための熱処理条件、水素プラズマ照射条件を明らかにした。 7.SiO_2中の水素終端された酸素空孔の安定性が電子励起により大きく低下することを理論的に明らかにした。 8.GaAs中で、水素パシベーションにより電気的に不活性化したドナーの再活性化エネルギーが、電子励起により著しく低下することを理論的に明らかにした。 9.GaN中の水素-マグネシウム・ペア-の安定性が紫外線照射により低下することを見出した。
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