研究課題/領域番号 |
11222205
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研究機関 | 豊田工業大学 |
研究代表者 |
吉村 雅満 豊田工業大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (40220743)
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研究分担者 |
金山 敏彦 産業技術総合研究所, 次世代半導体研究センター, 副センター長
牧村 哲也 筑波大学, 物質工学系, 講師 (80261783)
上田 一之 豊田工業大学, 大学院・工学研究科, 教授 (60029212)
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キーワード | 電子 / 原始操作 / 水素 / 水素顕微鏡 / 電子励起 / 複合欠陥 / トンネル顕微鏡 / シリコン |
研究概要 |
本研究は電子線を利用した表面構造変化とその制御に関する知見を得ることを目的としている。具体的には、(1)低速電子を固体表面に照射し電子的に励起されたイオンが脱離する電子励起イオン脱離現象を利用した走査型水素顕微鏡の高性能化とそれを用いた吸着原子分子の脱離メカニズムの解明(2)水素が関与する複合欠陥の原子配列のSTM観察(他班との協力)(3)シリコン表面上フラーレンC_<60>とその誘導体であるメタノフラーレンの電子励起による構造変化メカニズムの探求を目的とした。 (1)走査型顕微鏡の空間分解能が加速電圧600eVで1ミクロン以下となり、V-Ti-Ni系水素吸蔵合金表面の水素、酸素分布を明らかにした。さらに時間分解スペクトルにより水素や酸素の結合状態の違いの二次元分布を画像化できた。シリコン上およびシリコン酸化膜上の水素、酸素が異なるエネルギー分布を持つことを明らかにした。またシリコン表面上の水素の拡散について低温での実験を行った。 (2)Si(110)表面上に形成された5員環クラスターの原子状水素による構造変化、Si(111)B表面への水素関与複合欠陥のSTM観察を行った。水素は表面歪みを緩和させる特定の原子サイトに選択的に吸着することを明らかにした。 (3)C_<60>薄膜に、STM探針から電界放出したエネルギー10-100eVの電子線を照射し、構造変化をSTMで観察した。低エネルギーの電子照射によりC_<60>の重合だけでなく、C_<60>の拡散移動が誘起された。高エネルギーでC_<60>が解離し、解離断片が重合しては塊状構造が形成された。
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