研究課題/領域番号 |
11222206
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
長岡 伸一 愛媛大学, 理学部, 助教授 (30164403)
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研究分担者 |
信定 克幸 北海道大学, 理学研究科, 助手 (50290896)
田中 慎一郎 名古屋大学, 理学研究科, 助教授 (00227141)
間瀬 一彦 高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 助教授 (40241244)
関谷 徹司 広島大学, 理学研究科, 助教授 (30259981)
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キーワード | 放射光 / 原子分子操作 / サイト選択性 / 内殻 / 励起 / イオン化 / 解離 / 同時計数 |
研究概要 |
同じ元素の同じ内殻の準位でも、その原子の周囲の環境によって内殻電子の励起エネルギーは変化する。そこで、照射光のエネルギーを厳密に選ぶと、分子を構成する原子や表面上の原子のうち、特定の原子のみを選択的に励起することが可能である。その結果、その原子との結合だけが選択的に切れるようなサイト選択的解離反応を起こすことができる。放射光を用いると、こうした内殻電子の選択的な励起が可能になる。以上のような内殻励起の特徴と放射光の利点に基づいて、我々は、放射光による原子分子操作を研究した。内殻電子の局在性を利用すると、放射光を光のナイフとして用いた全く新しいタイプの材料加工技術を開発することができる。有機金属分子の内殻準位からの光イオン化後の解離反応は、半導体製造プロセスにおける光化学気相蒸着の観点からも興味深い。 気体及び表面分子研究用の高感度高分解能電子・イオン同時計数装置3台を製作して性能評価を行い、旧型器に比べて分解能が大きく向上することがわかった。珪素単結晶においてSi:2p内殻電子イオン化と同時に生成する水素イオンについて予備的な結果を得た。本装置は、放射光励起によって放出される電子とイオンをそれぞれエネルギーと質量を選別して同時に検出する。本装置を用いると、内殻電子励起状態あるいはオージェ終状態を選別して、解離イオンの収量を定量的に測定することが可能であり、本研究の目的に最も適している。
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