本年度では、サイズ及びモルフォロジーの異なる一連の芳香族デンドリマーを分子設計し、その発光特性を調べた。その結果、ある程度のサイズと球状のモルフォロジーを有するデンドリマーの発光が、特異的に減少し、励起エネルギーを比較的長時間分子内に貯蔵している可能性が示唆された。また、天然の光合成のメカニズムを模倣した人工光合成系の構築を目的として、ポルフィリンをビルディングユニットとしたデンドリマーを合成した。定常光及び時間分解蛍光、吸収スペクトル測定による解析の結果、空間特異的に配列された3層28個のポルフィリンユニットから中心のポルフィリンに、70%以上の効率で光エネルギーが集められることが明らかになった。
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