研究課題/領域番号 |
11225205
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研究種目 |
特定領域研究(B)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
相澤 龍彦 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (10134660)
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研究分担者 |
三尾 淳 都立産業技術研究所, 金属部, 研究職
長崎 千裕 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (90180471)
中野 博昭 東海大学, 開発工学部, 教授 (60056330)
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キーワード | 固相合成 / バルクメカニカルアロイング / Mg_2Ni / 化学修飾 / 物理修飾 / 生成エネルギー / 低温相 |
研究概要 |
Mg-Ni系合金は、A_2B合金の典型であり、水素吸蔵量3wt%を超える可能性を有している。Mg-Ni系の状態図では、Mg_2Ni相を単相として製造することは難しく、MgNi_2(非水素吸蔵相)とMg(残留マグネシウム)が共存する相となる。一方、ミリング、アトライディングによる固相合金化において、水素吸蔵開始温度の低下が報告されている。この固相合金化は有効ではあるが、生産技術にはあり得ず、新しいプロセスが求められている。本研究では、これまで研究者が開発してきたバルクメカニカルアロイングを適用し、Mg_2Ni単相化を行うとともに、第3元素添加による化学修飾、Ni増量による非平衡相化を生じさせる物理修飾を行った。その結果、以下のことがわかった。 (1)Mg_2Ni単相合成:Mgチップ(〈lmmφ)、Ni粉末から所定の秤量後、2000回のバルクメカニカルアロイングにより単相のMg_2Niを創成できることがわかった(格子定数、Mg_2NiH_4の生成エネルギーは文献値と一致した) (2)Mg_2Ni単相の第3元素による化学修飾:Gaをはじめとする第3元素を添加してバルクメカニカルアロイングにより合金化した。水素化生成エネルギーに大きな差は得られなかった。 (3)Mg_2Ni単相の非平衡化物理修飾:Ni量をMg_<1.5>Niまで変化させた合金化を行うことにより、低温相を有することがPCT曲線測定から明かとなった。これにより、同一のMg_2Ni構造でも非平衡化によって水素吸蔵温度の低下の可能性を示した。
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