研究課題/領域番号 |
11225205
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
相澤 龍彦 東京大学, 国際・産学共同研究センター, 教授 (10134660)
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研究分担者 |
三尾 敦 東京大学, 先端科学技術研究センター, 客員研究員
桑原 秀行 東京大学, 先端科学技術研究センター, 客員研究員 (90132795)
近藤 勝義 東京大学, 先端科学技術研究センター, 特任助教授 (50345138)
杜 博文 東京大学, 先端科学技術研究センター, 特別研究員 (90345166)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2002
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キーワード | 固相反応合成 / バルクメカニカルアロイング / 非平衡相制御 / Mg-Ni / Co / Fe系 / Mg-Si系 / コールド・コーティング / 固相リサイクル / Mg基生体適合膜創製 |
研究概要 |
本研究は、マグネシウム合金の新しい展開として、水素吸蔵特性・熱電特性・生体硬質組織材料などに注目した。さらに、それらを展開する新しい材料・生産プロセスとして、固相反応合成による非平衡材料創製法、固相成形加工法、コールド・コーティング、生体適合膜創製法などを開発した。特に固相反応合成法では、これまでの研究者らが開発してきたバルク・メカニカル・アロイング(Bulk Mechanical Alloying : BMA)の成果を踏まえ、1)アモルファス化、ナノ構造化などの非平衡相制御、2)多元素成分の制御(特に3元系以上の均質合金化、ドーピング)、3)粒状体・小塊試料からのBMAなどについて研究開発を行った。第1のテーマは固相合成法による多元系機能性合金のバルク材料創製であり、Mg-Ni系では、非平衡相制御によりNiリッチに伴う水素吸蔵特性の向上を明らかにした。Mg-Niを中心とする3元系への拡張もBMAにより探査することができた。Mg-si系では、BMAによる固相反応により室温にてMg_Si(融点:約1300K)を合成できること、低温での固相反応では創製されるMg_2Siの粒径が微細化Si粒径と同等となることを見出した。これにより、Mg合金チップと廃シリコンからのMg_2Siその場反応合成を伴う分散強化型マグネシウム合金部材の創成が可能となっている。Mg-Co、Mg-Fe径においても、BMAによる固相反応により固溶限の小さいCo、FeをMg中に過飽和に固溶させる非平衡相制御に成功し、Mg_2Coなどの新規な化合物の水素吸蔵特性を求めてきた。コールド・コーティングでは、Mg-Ni/Co/Feの3系に関して、アモルファス領域を含めた合金膜をポリマー基板上にコーティングすることに成功している。室温における水素化-脱水素化する物質系の探査、金属-半導体遷移による光透過性変化など、機能性膜の創製に適した方法となっている。純Mg板への人工体液中のHAPコーティングにも成功し、高い生体適合性膜生成も可能になりつつある。
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