研究概要 |
スピネル型リチウムマンガン酸化物LiMn_2O_4はMnの毒性が低く、資源的にも豊富であることからリチウム二次電池用の正極材料として非常に注目されている。しかしながら、高温での充放電においてことに顕著に現れる容量の劣化が問題となっている。このようなサイクルを繰り返した際の充放電容量の低下はMnが電解液中に溶解することにより促進されるものと考えられている。 本研究においてはMnの一部をCr,Al,Ni,Mgで置換したLiM_<1/6>Mn_<11/6>O_4を合成し、Li|1M LiClO_4 in EC+DEC|LiM_yMn_<2-y>O_4(M=Al,Cr,Ni,Mg)のサイクル特性を50℃において評価した。また、これらのセルをサイクルさせた際にMnの溶解量の測定を行い、サイクル回数に対する充放電容量とMnの溶解量の検討を行った。この中でLiCo_<1/6>Mn_<11/6>O_4は、LiMn_2O_4と比較して良好なサイクル特性を示し、Mn溶解が大幅に抑制された。 さらに、不定比性を有するLiM_<1/6>Mn_<11/6>O_<4-δ>を酸素分圧を制御して合成し、サイクル特性を評価した結果、定比のLiM_<1/6>Mn_<11/6>O_4より良好なサイクル特性を示した。
|