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1999 年度 実績報告書

全固体イオニクス素子の量子材料設計

研究課題

研究課題/領域番号 11229203
研究種目

特定領域研究(B)

研究機関京都大学

研究代表者

田中 功  京都大学, エネルギー科学研究科, 助教授 (70183861)

研究分担者 小笠原 一禎  京都大学, 工学研究科, 助手 (10283631)
西谷 滋人  京都大学, 工学研究科, 助手 (50192688)
足立 裕彦  京都大学, 工学研究科, 教授 (60029105)
小和田 善之  兵庫教育大学, 学校教育学部, 助教授 (90205542)
キーワード第一原理計算 / 遷移金属酸化物 / リチウム2次電池 / FLAPW法 / バンド計算 / 正極材料
研究概要

本研究のねらいは第一原理のみに基づいた量子化学計算により,構造欠陥や界面に基づいた損失のない場合の電池電圧や容量といった本質的な電池特性を算出し,原子配列や組成との関連性を理解することにある.この目的を達成するために必要な計算技術は確立されておらず,数種の相補的な計算手法を統合し,電極物質の本質的特性の理解するとともに,以下の研究項目での研究基盤を確立することをめざす.
本年は,電池電圧を定量的に評価するために,高精度のバンド計算法として標準的なFLAPW(full potential augmented plane wave)法を採用し,クラスター計算から求められた情報と併せて,電池電圧を決める電子論的な因子について議論を進めた.実験での平均電圧は,これは電子状態計算の全エネルギーを用いて計算した値を良く再現した.この遷移金属種による理論電圧の変化は,クラスター計算に基づいて評価した以下の2つの因子の和と良く対応することが判明した.第一の因子はLi位置での静電ポテンシャルの大きさであり,各構成原子の有効電荷を用いてエバルト和を計算して求めたものである.これはリチウムイオンを系から取り除くためのエネルギーに相当する.第2の因子は,電子を系から取り除くに要するエネルギーであり,クラスター計算でのHOMO(最高占有準位)のエネルギーである.本成果は直ちに共同して研究を行う実験グループに提案され,共同作業が進められている.

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Y. Koyama: "Changes of chemical bondings by Li deintercalation in LiMO_2 (M=V, Cr, Co and Ni)"J. Jpn. Appl. Phys.. 38. 2024-2027 (1999)

  • [文献書誌] Y. Koyama: "First principles study on determining factors of battery voltages of LiMO_2 (M=Ti-Ni)"J. Jpn. Appl. Phys.. 38. 4804-4808 (1999)

  • [文献書誌] M. Mizuno: "Chemical bonding of titanium-metalloid compounds"Phys. Rev. B. 59. 15033-15047 (1999)

  • [文献書誌] S. R. Nishitani: "Madelung energy of metal-metalloid compounds"Comp. Mater. Sci. 14. 62-66 (1999)

  • [文献書誌] K. Ogasawara: "Calculation of multiplet structures of Cr_3 + and V_3 in α-Al_2O_3 based on a hybrid method of density functional theory and the configuration interaction"Phys. Rev. B. 61. 143-161 (2000)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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