研究分担者 |
野原 愼士 大阪府立大学, 工学研究科, 助手 (40326278)
古川 直治 大阪府立大学, 工学研究科, 講師 (70081338)
井上 博史 大阪府立大学, 工学研究科, 助教授 (00213174)
坂口 裕樹 鳥取大学, 工学部, 助教授 (00202086)
森田 昌行 山口大学, 工学部, 教授 (70136167)
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研究概要 |
本年度は、新規な高分子ゲル電解質、無機ゲル電解質、さらには固体酸化物電解質などの固体電解質の作製および特性評価を行うとともに、それらの電解質を用いて構築した全固体型電池の充放電特性について検討し、以下のような結果を得た。 1.架橋型ポリアクリル酸カリウムとKOH水溶液から作製した新規な高分子ゲル電解質は、吸水性および保水性に加え,耐アルカリ性ならびにKOH水溶液に近い非常に高い電気伝導率と広い電位窓を有し,その高分子ゲル中の酸素透過速度も速いことを明らかにした。また、この高分子ゲル電解質を用いて構築したニッケル-水素電池の充放電特性や容量保持特性は,同じ条件下でKOH水溶液を用いた場合より優れており,この電池では電極活物質の構成元素の溶出が抑制されることも明らかにした。 2.43P_2O_5・57SiO_2を電解質に用いて全固体型ニッケル-水素電池を構築し,従来報告されているプロトン伝導性無機固体電解質を用いた全固体電池の約5倍の電流密度で60サイクル以上充放電することに成功した。また、電解質の酸性度を減少させたり、あらかじめ水素を吸蔵させた合金を負極に用いることにより、サイクル特性が著しく向上することを明らかにした。 3.ニッケル-水素電池の固体電解質として酸化ジルコニウム水和物を使用すると、充放電が可能であることを見いだした。また、酸化ジルコニウム水和物と水酸化カリウムをメカニカルミリングで複合化させた試料を電極に添加することにより、電池の充放電サイクル特性が大きく改善されるとともに、一桁高い電流密度で充放電できることを明らかにした。 4.ポリエチレンオキシド架橋ポリメタクリレートを,塩酸あるいは水酸化カリウム水溶液で膨潤することにより,室温下で10^<-3>〜10^<-2>S cm^<-1>レベルのイオン伝導率を達成し,これが固体ゲル電解質として作用することを確認できた。
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