研究課題/領域番号 |
11232202
|
研究種目 |
特定領域研究(B)
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
白木 靖寛 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (00206286)
|
研究分担者 |
末光 眞希 東北大学, 電気通信研究所, 助教授 (00134057)
宇佐美 徳隆 東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (20262107)
長田 俊人 東京大学, 物性研究所, 助教授 (00192526)
中川 清和 日立製作所, 中央研究所, 主任研究員
櫻庭 政夫 東北大学, 電気通信研究所, 助手 (30271993)
|
キーワード | 低温Si層 / SiGe / 変調ドーピング / 島状成長 / 初期酸化 / 自己触媒 / リン吸着デジタル制御 |
研究概要 |
低温Si層を緩衝層として用いることにより、Si(100)基板上にSiGeの良質な歪み緩和薄膜を成長する技術を確立した。この手法により作製したSiGe上に、歪みGe膜をチャンネルとするp型の変調ドープ構造を成長したところ、室温における世界最高正孔移動度を実現した。この正孔移動度は、チャンネル幅に強く依存し、界面ラフネス散乱と、歪み緩和による転位発生との競合から、最適なチャンネル幅が存在することが明らかになった。 Si上にGeを積層したときの成長様式を、Geを二層積層した構造からの発光を利用して検討した。その結果、Geの成長様式は下地のGeが島状成長をしている場合、Siスペーサ層を介して伝播する歪み場により大きく影響を受けることが明らかとなった。二層目のGeが、島状成長に遷移する臨界膜厚および濡れ層の膜厚は、一層目のGeが島状成長をしている場合は、大きく減少する。また二層目のGe島の密度は、一層目と比較して3倍程度に増加する場合があることが観測された。これは、表面における歪み場の効果と、混晶層の形成による島形成の障壁エネルギーの低下の両面から検討している。 異種原子層を任意に配置した人工IV族半導体を形成するためには、異種原子層を形成したSi(100)基板上においてもSiをエピタキシャル成長させる必要がある。450℃以下の低温・高分圧のCVD条件下において、NやPの原子層形成Si表面上でのSi薄膜の成長過程を調べ、Siがエピタキシャル成長する条件を見い出した。 Si酸化初期課程を記述する自己触媒反応モデルを提案し、圧力・温度条件により大きく変化する酸化モードの統一的記述に成功した。同モデルは、ナノ構造形成過程の記述にも有効であると期待される。 ホスフィン室温飽和吸着と水素熱脱離を交互に繰り返して表面リン被覆率をデジタル的に制御する「リン吸着デジタル制御法」を開発し、高密度化を目的とするN型ドーピング機構解明の基礎技術を確立した。 モノメチルシランを原料に用い、従来より約200℃低い温度である900℃において、Si(100)基板上3C-SiC単結晶薄膜形成に成功した。
|