研究課題/領域番号 |
11233201
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
本間 研一 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (40113625)
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研究分担者 |
白川 哲夫 北海道大学, 歯学部附属病院, 助教授 (00187527)
安倍 博 北海道大学, 大学院・医学研究科, 講師 (80201896)
本間 さと 北海道大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (20142713)
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キーワード | 時計遺伝子 / 概日リズム / 視交叉上核 / 母子同調 / 細胞間コミュニケーション / 生物発光レポータ / ヒスタミン欠損マウス / DEC1, DEC2 |
研究概要 |
1.視交叉上核サーカディアンリズムの発現とPAS関連時計遺伝子の役割 (1)恒常暗で行動リズムが消失するClock変異マウスの視交叉上核神経細胞の電気活動概日リズムを個別に測定し、個々のニューロンではリズムは消失せず、周期が延長していることを明らかにし、行動リズムの消失が細胞間コミュニケーションの不調によるものであることを明らかにした。 (2)ラット生物時計の生後発育と母子同調のメカニズムを、仔ラット視交叉上核に発現する時計遺伝子、Per1とPer2を指標として解析した。その結果、幼弱ラットでは視交叉上核時計遺伝子が光以外の因子の調節を受けること、母ラットの授乳時刻が概日リズム位相の決定に重要であることが明らかになった。 2.PAS関連時計遺伝子産物の代謝回転とフィードバック機構 (1)分泌型および非分泌型ルシフェレースによる遺伝子発現の生物発光レポーターシステムを開発し、2つの異なる遺伝子発現を同時にリアルタイムで計測できることを理論的に確立した。 (2)bHLH型転写調節因子をコードする新規時計遺伝子DEC1,DEC2を発見し、ラット視交叉上核で強く発現し、リズム変動していること、CLOCK/BMAL1によるPer遺伝子の転写促進作用を強く抑制すること、光に反応して転写が亢進することを明らかにした。 3.サーカデイアンリズムの同調に於けるPAS関連時計遺伝子産物の役割 (1)出生後1週間、母ラットを明期の12時間盲目仔ラットから隔離すると、仔ラットの行動リズム、視交叉上核の時計遺伝子発現リズムが逆転することを明らかにし、母子同調に視交叉上核の生物時計が関与していることを明らかにした。 (2)行動量の減少、行動リズムの周期延長がみられるヒスタミン欠損マウスでは、視交叉上核のPer1,2,3発現リズムに変化はないが、大脳皮質や線条体の時計遺伝子リズムの振幅が著しく低下しており、行動リズムとの関係が示唆された。
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