研究課題/領域番号 |
11233203
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
近藤 孝男 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10124223)
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研究分担者 |
小山 時隆 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助手 (30324396)
岩崎 秀雄 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助手 (00324393)
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キーワード | シアノバクテリア / 概日時計 / kai時計遺伝子 / ネガティブフィードバック / 蛋白質相互作用 / ATP / GTP結合能 / 時計蛋白のリン酸化 / センサーキナーゼ |
研究概要 |
これまでの研究の結果、シアノバクテリアの概日時計はkai時計遺伝子の発現の自己制御で発生し、その特性は3つのKai蛋白質の生化学的性質によっておもに規定されていることが明らかとなっている。今年度はシアノバクテリアのkai遺伝子の発現の自己制御による振動が、安定した概日振動を実現しているメカニズムを理解するため、1)kai遺伝子の発現制御、2)Kai蛋白質の動態とその機能、3)概日振動の同調機構とおよび4)出力機構について解析を行った。その結果、a)KaiC蛋白質によるゲノムワイドな発現制御、b)KaiA-KaiC相互作用とリン酸化の関連、c)Kai蛋白質のコンプレックスの実態の細胞内分布、d)KaiC蛋白質のリン酸化の解析、e)KaiC蛋白質と相互作用するあらたな時計関連分子、f)光入力系蛋白CikAのフィードバックへの関与などについて新たな知見を得ることが出き、シアノバクテリアの時計機構の理解を深めることが出来た。その成果は現在投稿準備中である。またKaiA-KaiCの相互作用領域の同定やKaiAへの変異導入による解析なども進め、論文を投稿中である。 特定研究で概日振動の特性を実現させている分子的基礎について、KaiC蛋白質の集中的解析を目指したが、それぞれについて今年度の努力が着実に進展しており、来年度にはこれらの解析の結果の統合的理解を目指したい。
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