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1999 年度 実績報告書

雄性生殖細胞のゲノム刷込み、全能性の解析および制御機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 11234206
研究種目

特定領域研究(B)

研究機関国立感染症研究所

研究代表者

小倉 淳郎  国立感染症研究所, 獣医科学部・実験動物開発室, 室長 (20194524)

研究分担者 幸田 尚  東京工業大学, 遺伝子実験施設, 助手 (60211893)
キーワードマウス / 原始生殖細胞 / 発生工学 / 顕微授精 / 核移植クローン / 精母細胞 / 精子細胞
研究概要

本研究の目的は、顕微授精および核移植技術を利用し、各ステージの雄性生殖細胞ゲノムを含む胚を構築し、これらの胚における特定の遺伝子発現、メチル化状態の変化などを分子生化学的に解析することにより、雄性生殖細胞の一連の系譜におけるゲノム刷込みなどの父親側ゲノムの変化や全能性の消長などについて明らかにすることである。今年度は、以下の研究を実施した。
1)胎齢12.5日から15.5日の雄性原始生殖細胞(PGC)を用いて、核移植クローンを行った。その結果、各胎齢に由来するPGCの核移植胚は着床し、胎仔まで発生することを確認した。これらの胎仔は、9.5-10.5日で発生を停止し脱落した。胎仔の遺伝子の発現を観察した結果、胎仔ではKip2、Igf2rの発現がなく、また胎盤ではIgf2rとMash2の発現が消失しており、これらが胎仔の発生停止の原因と考えられた。通常の体細胞を用いた核移植クローン由来の胎仔では、これらの遺伝子は発現していた。よって、胎齢12.5日の精巣におけるPGCは、遺伝子刷込みがすでに消去されていることが示唆された。
2)減数分裂前の一次精母細胞を用いて顕微授精を行い二倍体胚を構築し、胚移植を行った。この結果得られた胎仔の遺伝子発現を検索すると、雌側の発現も通常と異なっており、雄側からも何らかの因子を出し、雌側のゲノムに影響を与えていることが明らかにされた。
以上から、雄性生殖細胞のゲノム刷込みの消去は、PGCが胎児期精巣に到着前あるいは到着直後であり、その後、あらたなゲノム刷込みが開始される。減数分裂前の一次精母細胞で産子が得られることから、ゲノム刷込みは少なくとも一部は終了しているが、まだすべてが完了していない可能性がある。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] Ogura, A.et al.: "Spermatid unclei can support full term development after premature chromosome condensation within mature oocytes"Human Reproduction. 14. 1294-1298 (1999)

  • [文献書誌] Ogura, A.et al.: "Production of male cloned mice from fresh, cultured, and cryopreserved immature Sertoli cells"Biology of Reproduction. (印刷中). (2000)

  • [文献書誌] Mochida, K.et al.: "Survival and subsequent development in vitro of hamster embryos after exposure to cryoprotectant"Journal Assisted Reprodution and Genetics. (印刷中). (2000)

  • [文献書誌] Miyado, K.et al.: "equirement of CD9 on the Egg Plasma Membrane for Fertilization"Science. 287. 321-324 (2000)

  • [文献書誌] 小倉淳郎ら: "雄性生殖細胞の胚形成能"Journal of Reproduction and Development. (印刷中). (2000)

  • [文献書誌] 小倉淳郎: "哺乳類の生殖生化学 (アイピーシー)"中野實、荒木慶彦. 527 (1999)

  • [文献書誌] 小倉淳郎: "哺乳類の生殖生物学 (学窓社)"高橋迪雄. 300 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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