1.SMART PCR cDNA libraryの作製 少量のtotal RNAを用いてライブラリーを構築することができると都合がよい。そこで、SMART PCR cDNA library調整キットを改良し、少量のtotal RNAからライブラリーを作製した。ランダムに選択したクローンのcDNA配列を解析したが、挿入配列が短い、また、ベクターがシーケンスしにくい配列を含んでいる等の問題が見つかった。 2.メダカHNI成魚由来ライブラリーのシーケンス 医科研 菅野・川上が作製したオリゴキャップメダカHNI成魚由来ライブラリーを解析し、この過程で、96穴タイタープレートベースでの大量シーケンス方法が確立した。野中班員のABI377シーケンサーで約500クローンの配列を解析したところ、大部分のクローンから全長を含むと思われる配列が読めるようになった。また、このライブラリーの冗長度も低いことが分かった。田中班員のABI3700シーケンサーでも我々の調整したサンプルでの大量塩基配列解析が可能なことが分かったので、今後、機器の利用をする方向で検討中である。また、cDNA配列を元にマッピング用プライマーを作製し、多型検出頻度を調べている。 3.培養細胞cDNAライブラリーの作製 浅川班員の作製したBACライブラリーのDNA供与体となったHNI培養細胞からプラスミドライブラリーを作製した。現在シーケンスを進め、その品質を確かめている。 各種ライブラリーから5年間で数万個のEST配列を解析する目途が立ったのでこれを推進する。来年度は、メダカ研究者に利用しやすいデーターベース構築の方針も策定し、順次データーを公開する予定である。
|