研究課題/領域番号 |
11236203
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
三谷 啓志 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (70181922)
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研究分担者 |
三田 和英 独立行政法人・農業生物資源研究所, 上席研究員 (30159165)
成瀬 清 東京大学, 大学院・理学系研究科, 講師 (50208089)
尾田 正二 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 講師 (50266714)
佐々木 貴史 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (70306843)
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キーワード | メダカ / ゲノム / 遺伝子地図 / 進化 / ゼブラフィッシュ / フグ / ゲノム倍加 / 染色体 |
研究概要 |
メダカのcDNAライブラリーから約12000クローンの塩基配列を決定した。それらをクラスター処理した結果、約6000の独立なクラスターに分類された。これらのデーターと公的データーベースに登録されている配列について、Blastにより脊椎動物の既知遺伝子との相同性を検索し、高い相同性を示したクローン配列を元に連鎖解析のためのプライマーを設計した。これにより約1200の独立のESTマーカーをPCR-RFLPにより既存の連鎖地図上に新たに加えることができた。その結果、ゼブラフィッシュと比較可能なヒトとのシンテニー関係が確認された。また、ゼブラフィッシュとメダカで、ヒトとのシンテニー関係が広範囲で似ている連鎖群が認められた。例えば、メダカ連鎖群の2・21には、ゼブラフィッシュ連鎖群6・9と同様にヒト2・21番染色体上の遺伝子が多く存在している。ヒトの特定染色体領域がメダカとゼブラフィッシュで2つの連鎖群に集中している例が多くあり、ゼブラフィッシュとメダカの染色体構成を比較したところ2対2の対応関係が多く見られたがゼブラフィッシュ連鎖群の大規模な転座も示唆された。これらのデーターは、M baseとしてweb上で公開されている。さらにフグのゲノムデーターベースとの比較から遺伝子の80%程度が染色体レベルでメダカとシンテニー関係をもつことが予測された。これまでの雄パネル由来の遺伝子地図データーに対応して雌パネルからのデーター収集を行った結果ゲノム全体にわたって雌雄の連鎖距離の比較が可能となり、突然変異体の原因遺伝子のポジショナルクローニングのための有用な情報を提供するものとなった。メダカ遺伝子の地図上の位置と周辺のシンテニー関係、フグのゲノムデーターを活用することで、脊椎動物の染色体進化の様相と遺伝子の成立過程を類推することができるようになった。
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