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1999 年度 実績報告書

メダカを用いた生殖細胞突然変異成立機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 11236204
研究種目

特定領域研究(B)

研究機関東京大学

研究代表者

嶋 昭紘  東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (60011590)

キーワードメダカ生殖細胞突然変異 / 雄生殖細胞 / 精原幹細胞 / 分化型精原細胞 / 細胞死 / 高感受性集団 / 低線量 / 胚死
研究概要

本年度はメダカ雄生殖細胞に生じたゲノム変化が、精子形成過程および初期発生過程で細胞死によってどのように排除されるかを調べた。1.突然変異率に関して放射線感受性の異なる3つのメダカ系統を使い、精原細胞におけるγ線誘発細胞死(核凝縮を指標)を組織学的に検索した。幹細胞、分化型細胞ともに、γ線照射12-24時間後に細胞死の頻度が最も高くなり、照射12時間後における細胞死頻度の線量-効果直線は、低線量域(0.1-1.6 Gy)では線量に応じて急激に上昇するが、高線量域(1.9-4.75Gy)ではあまり上昇しないことがわかった。この結果は、雄生殖細胞集団には放射線誘発細胞死を起こしやすい亜集団が存在することを示しており、特に低線量放射線によって生じるゲノム変化は、これらの細胞の死によって効率よく排除される機構があることが示唆された。またHNI系統が細胞死高感受性系統であることもわかった。2.照射された生殖細胞に由来する受精卵の初期発生過程において、細胞死がどのように起こるのかをTUNEL法で調べた。その結果、γ線照射された精子由来胚の場合、少なくとも30Gy以下では嚢胚期以前には細胞死は検出されなかった。また、発生速度に対しても照射の影響は見られなかった。3.これらの結果から、雄生殖細胞に生じたゲノムの変化は、まず、生殖細胞の段階では「細胞死」というチェック機構によって効率よく排除されるが、受精後少なくとも初期胚の発生段階では、これらのチェック機構が作動しないことが示唆された。おそらく、嚢胚期以降の形態形成異常によって胚全体が致死にいたる現象(優性致死)が、発生淘汰の主な機構であろうと思われる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Sun, H. et al.: "Evolutionary analysis of putative olfactory receptor"Gene. 231. 137-145 (1999)

  • [文献書誌] Naruse, K. et al.: "A detailed linkage map of Medaka, Oryzias latipes :"Genetics. (in press). (2000)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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