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2003 年度 実績報告書

種の多様化に伴う性染色体の構造と機能の変化

研究課題

研究課題/領域番号 11236206
研究機関新潟大学

研究代表者

酒泉 満  新潟大学, 理学部, 教授 (40175360)

研究分担者 濱口 哲  新潟大学, 理学部, 教授 (20126444)
キーワード性染色体 / DMY / メダカ / 野生集団 / 突然変異 / メダカ属 / 性決定様式 / 性転換
研究概要

(1)ポジショナルクローニング法と性決定領域の欠失突然変異を用いた解析によってメダカの雄分化に必要なY染色体上の遺伝子DMYを同定した。DMYは脊椎動物の精巣の発生過程で発現がするDMRT1に類似の配列をもつことから、DMRT1の重複によって生じたと推定された。
(2)DMYを含む117KBの領域を受精卵に導入することにより、高頻度にXX個体を雄に性転換させることができた。このことから、DMYはメダカの雄性決定遺伝子であることが明らかになった。
(3)DMYを用いた野生メダカの遺伝的性判定により、DMYはメダカの種内で共通の性決定遺伝子であり、約1%の割合でXY雌やXX雄が存在することが明らかになった。これらの突然変異体はメダカの性分化機構解明のために有効な解析手段になる。
(4)DMYはメダカに最も近縁な種の一つであるハイナンメダカのY染色体にも存在したが、他の近縁種では見つからなかった。DMRT1との分子系統学的解析から、DMYはハイナンメダカの祖先において生じ、後にメダカに移入したと推定された。
(5)メダカに近縁な両椀染色体グループ3種はいずれもXX-XY型の性決定様式をもつが、DMYをもたないと考えられるルソンメダカの性染色体はメダカの常染色体である連鎖群12と相同であり、メコンメダカのそれは連鎖群2に相同であることが明らかになったことから、これらの種はメダカとは異なる性決定遺伝子をもつことが予想された。
(6)メダカ属魚類の中でもメダカとは比較的遠縁な単腕染色体グループに属するジャワメダカはZZ-ZW型の性決定様式をもち、性染色体はメダカの連鎖群5に相同であった。また、インドメダカではXX-XY型の性決定様式をもつことが明らかになり、これらの種からも新規の性決定遺伝子が同定される可能性がある。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Matsuda, M.: "Oryzias curvinotus has DMY, a gene that is required for male development in the medaka, Oryzias latipes."Zoological Science. 20. 159-161 (2003)

  • [文献書誌] 四宮愛: "メダカの性決定遺伝子と生殖巣の性分化 脊椎動物の新しい性決定遺伝子DMY"細胞工学. 22. 1090-1096 (2003)

  • [文献書誌] Takehana, Y: "Geographic variation and diversity of the cytochrome b gene in Japanese wild populations of medaka, Oryzias latipes."Zoological Science. 20. 1279-1291 (2003)

  • [文献書誌] Takehana, Y: "Geographic variation and diversity of the cytochrome b gene in wild populations of medaka (Oryzias latipes) fron Korea and China."Zoological Science. (In press).

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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