研究概要 |
昨年度までに北日本由来の近交系HNIメダカのBACライブラリーの構築とスクリーニング系を確立を完了したが、これらのBACクローンやスクリーニング材料を広く国内、国外の研究者に配布し、ポジショナルクローニングやゲノムシーケンシングなど様々な遺伝子解析に貢献している。現在までにメダカの鱗欠損変異rs-3系統の原因遺伝子の同定や(Kondo S et al., 2001)、DMRT4遺伝子のクローニング(Kondo S et al., in press)などの成果があげた。 本年度は大量のBACクローンの末端シーケンシングを行いSTS化(GSSの創出)を試みた。そのためにQiagen社の96-well規格によるプラスミド調製キットの精製条件を改良して、テンプレートとして十分量のBAC-DNAを精製する系を確立した。さらに限外ろ過によってBAC-DNAの精製度を高めることにより、シーケンシング反応自体の成功率を格段に高めることに成功した。その結果、ABI3700キャピラリーシーケンサーを用いて高い成功率(80%以上)とクオリティーでシーケンシングすることが可能となった。すでに約9,000末端のシーケンスデータを蓄積した。メダカの全ゲノムは約800Mbなので、現時点で既に約90kbに1ヶ所の頻度でGSSを確保したことになる。またこれらの大量のシーケンスデータを効率的に処理するためのコンピュータソフトの開発を行った。 領域内の遺伝子マッピングプロジェクトグループに対して得られた末端シーケンス情報の提供し多型マーカーの創出に貢献している。また配列のBLAST検索によって見つかった遺伝子を7個マップするなどメダカの遺伝子地図の充実化に貢献した。
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