研究概要 |
1.北日本由来近交系HNI株をソースとして、20ゲノム相当(平均インサートサイズ160kb、9万6千クローン)のBACラィブラリーを作製し、384穴プレート250枚に個別に保存した。さらにコロニーハイブリダイゼーション法によって目的のクローンを同定するための高密度レプリカフィルターを多数作製した。 2.BACクローンの末端シーケンシングを推進するための実験系を確立し、HNI-BAC8,160クローンの両末端を解読した。また我々が名大堀教授らと共同で構築していたメダカHd-rR株BAC、ドイツで構築されたメダカCab株BACについてそれぞれ、11,904クローン、1,152クローンの両末端シーケンスを決定した。これらによって解読した計21,216クロー 3.メダカHd-rR.株30,720クローンに対してPCRスクリーニングを行うためのBAC-DNAプールを調製した。このスクリーニング系では、1次スクリーニングとして20スーパープール、2次スクリーニングとして各スーパープールに対して28プールの4次元DNAミックスをテンプレートにPCRを行うようデザインした。これらはBACウォーキングなどに活用した。 4.領域内外の研究者と共同でメダカ22番染色体全体(約20Mb)のシーケンシングを目指して、BACコンティグの作成、シーケンシングを進めた。2004年2月現在で11Mb(55%)をカバーするBACのコンティグ作成および7Mb(35%)のシーケンシングが完了した。 5.領域内外の研究者に多数のBACクローンやそのスクリーニング材料、末端シーケシスデータを提供した。その結果、メダカ性決定遺伝子など様々な遺伝子のポジショナルクローニングや構造解析、さらにBACコンティグマップや連鎖地図作成に貢献した。
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