研究課題/領域番号 |
11237204
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
辻本 賀英 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (70132735)
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研究分担者 |
清水 重臣 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (70271020)
恵口 豊 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (20243206)
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キーワード | アポトーシス / 核 / Acinus / プログラム細胞死 / カスペース / Bcl-2 |
研究概要 |
アポトーシス時には、細胞内コンパートメントを越えてシグナル伝達が行なわれるが、我々は、特にミトコンドリア、細胞質、核の間でのシグナル伝達機構の解明に取り組んできた。アポトーシスの刺激は最終的にミトコンドリアに集約され、カスペース活性化因子シトクロムcの漏出を惹起し、カスペースそのものあるいはそのターゲットが核内に輸送され、アポトーシス特有の構造変化を誘導する。たとえば我々の同定したAcinusはカスペースによる切断の後、クロマチン凝縮を誘導する。 本年度の成果は以下の通りである。 1.Acinusによるクロマチン凝縮機構およびその正常時での機能を解明する目的でAcinusのターゲッティングを行ない、null mutationを有したマウス系統の確立に成功した。ホモマウスは胚致死性を示した。 2.ミトコンドリアからのシトクロムc漏出において、VDAC(ミトコンドリアポリン)が関与する(そのチャネルになる)ことを提唱してきたが、Bcl-2アンタゴニストとして知られていたテトロカルシンAはVDACをターゲットとしていることを示し、我々の提唱しているモデルの確証を得た。 3.ハイポキシアにより誘導される細胞死を特徴付ける核の収縮を担う分子の探索を行い、phospholipase A2を同定した。
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