研究課題/領域番号 |
11240205
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研究機関 | 大分医科大学 |
研究代表者 |
山本 俊輔 大分医科大学, 医学部, 教授 (90040188)
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研究分担者 |
泥谷 直樹 大分医科大学, 医学部, 助手 (80305036)
松浦 恵子 大分医科大学, 医学部, 助手 (00291542)
樋口 安典 大分医科大学, 医学部, 助教授 (60040284)
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キーワード | ADAM15 / ADAM8 / CD156 / アポトーシス / メタロプロテアーゼ / ジスインテグリン / トランスジェニック |
研究概要 |
(1)ADAM15 1:ADAM15とアポトーシス(Apo):アンチセンスADAM15 cDNAをstableにトランスフェクトしたRAW細胞(3G)はLPSおよびIFN-γに対する感受性亢進が見られアポトーシス(Apo)を起こすことをアネキシンVの細胞膜発現を指標としてflow cytometory法で確認した。さらにDNA fragmentationでもこの現象を確認した。また、LPSおよびIFN-gによるApoではNOを介したApoが考えられるが、NOの供与体であるS-nitrosoglutathione(GNSO)でも3G細胞の顕著なApoの感受性冗進が確認された。P815-Fas細胞でもアンチセンスADAM15 cDNAをトランジエントにトランスフェクトした細胞でApoの亢進が見られる事を観察した。3G細胞とベクターのみをトランスフェクトした対照RAW細胞との違いやApoが起こりやすく変化した原因を明らかにするために、caspase系およびBcl-2系における違いについてスクリーニングするためにRNAse保護法で検討した。その結果、3G細胞でCasspase-1とCaspase-11およびBfl-1の強い発現亢進が見られた。これらの蛋白の亢進はこれらに対する抗体を用いたウエスタン法でも確認された。2:ADAM15のリガンド/結合蛋白検索:マウスADAM15の細胞外ドメインをベイトにし、RAW細胞ライブラリーを用いスクリーニングし、ADAM15と反応するクローンを得、現在その本体を確認作業中である。3:ヒトADAM15のバリアント:細胞内ドメインに49個のアミノ酸の挿入配列を持つヒトADAM15を見出した。この配列はADAM12の細胞内ドメインの配列に酷似し、プロリンに富むクラスIIおよびクラスIのSH3結合配列をタンデムに持つ配列を含む。このバリアントはノーザン法でマクロファージに発現している。さらに蛋白レベルの発現やSH3を含む蛋白との結合性を解析中である。 (2)ADAM8(CD156) 1:ADAM8トランスジェニックマウス(TM)の炎症検討:ADAM8の細胞外ドメインをa1-antitrypsin promoterの制御下に肝臓で発現し、血中に可溶性ADAM8を遊離するTMを作成し、諸炎症反応の特徴を検討している。オキサゾロン塗布による耳介接触皮膚炎ではTMで好中球反応が対照に比べ優位に高く、カゼインによる腹腔炎症では好中球およびマクロファージ滲出反応が優位に低かった。現在TMの両炎症における反応の違いを解析している。2:ADAM8のリガンド/結合蛋白検索:これまでヒトADAM8のMPドメインをベイトにし、ヒト白血球ライブラリーを用いた2ハイブリッド法は失敗しており、現在、mADAM8の細胞外ドメインをベイトにし、RAW細胞ライブラリーを用い幾つかのクローンを得て、現在解析中である。この他、昆虫細胞系リコンビナント蛋白を用いたファージディスプレイ法で検出したCL98、parlecanのGST遊合蛋白の消化実験を行ったが、成功していない。
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