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2000 年度 実績報告書

出芽酵母DNAポリメラーゼεが関与するDNA複製異常認識の分子機構

研究課題

研究課題/領域番号 11241203
研究機関奈良先端科学技術大学院大学

研究代表者

真木 智子  奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助手 (60212205)

キーワードDNA複製 / DNAポリメラーゼ / DNA結合 / 出芽酵母 / S-期チェックポイント制御
研究概要

出芽酵母DNAポリメラーゼε(Polε)は触媒サブユニット(Pol2)と3つのアクセサリーサブユニット(Dpb2,Dpb3,Dpb4)から成る複合体である。Pol2のポリメラーゼドメイン(N-末端領域)が細胞増殖に必ずしも必須でないのに対して、このC-末端ドメインは必須である。このC-末端ドメインはS-期チェックポイント制御にもその関与が示唆されている。本研究は細胞内でのPolεの役割を知るために、Pol2のC-末端ドメインおよびアクセサリーサブユニットの生化学的機能を明らかにし、これと細胞増殖、チェックポイント制御との関連を検討することを目的とする。平成12年度の成果は以下のとおりである。
1.Polεの個々のサブユニットの発現と精製
細胞増殖に必須であるアクセサリーサブユニット、Dpb2をカイコ体内で発現させ、この精製を完了した。Dpb3、Dpb4についてもこれらをカイコ体内で共発現させ、Dpb3-Dpb4複合体の精製に着手したが(2-(2)参照)、カイコ由来の他の蛋白質と大きな複合体を形成していたため精製が困難であった。現在大腸菌を用いた蛋白質発現系でDpb3-Dpb4の発現を試みている。
2.Pol2C-末ドメインおよびアクセサリーサブユニットの生化学的機能
(1)PCNAに依存したPolεのDNA合成反応:4つのサブユニット(Pol2,Dpb2,Dpb3,Dpb4)から成るPolεは、ある条件下でPCNAに依存したDNA合成を行うことが知られているが、これに対してPol2のポリメラーゼドメイン(C-末領域を欠く)のみではDNA合成活性は保持されているものの、PCNA依存性が非常に低いことを明らかにした。さらにこのPCNA依存性にDpb2が関わることを示唆する結果を得た。
(2)PolεのDNA結合能:Polε複合体およびPol2のポリメラーゼドメインのDNA結合能をゲルシフト法を用いて解析した。その結果、Pol2C-末領域および(あるいは)アクセサリーサブユニットに依拠するDNA結合活性として二本鎖DNA結合能を見出した。このDNA結合はDNA合成反応とは競合しない。さらに最近、ヒトのクロマチンリモデリング複合体の中にPolεのDpb3とDpb4様の蛋白質が含まれていることが示され、この解析により、Dpb3-Dpb4がこの二本鎖DNA結合に関わる可能性が示唆された。精製したDpb3-Dpb4を用いてこの点を検討したい。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] T.Ohya: "Structure and function of the fourth subunit (Dpb4p) of DNA polymerase ε in Saccharomyces cerevisiae"Nucleic Acids Reseaerch. 28・20. 3846-3852 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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