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2001 年度 実績報告書

細胞極性とmRNA局在のin vivoイメージング

研究課題

研究課題/領域番号 11242202
研究機関大阪大学

研究代表者

入江 賢児  大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (90232628)

キーワード非対称分裂 / mRNA / RNA結合タンパク質 / 酵母 / 細胞骨格 / アクチン / 翻訳 / ミオシン
研究概要

出芽酵母は出芽により増殖し、細胞分裂により大きさおよび性質の異なる2つの細胞、母細胞と娘細胞を生じる。ASH1 mRNAは、細胞分裂時に娘細胞の先端に局在し、これがAsh1タンパク質の娘細胞特異的局在を保証している。Ash1は接合型変換を触媒するHO遺伝子発現の負の制御因子である。ASH1 mRNAの局在にはmRNAの3´非翻訳領域、タイプVミオシンMyo4、アクチンの制御因子Bni1が必要である。ASH1 mRNAの娘細胞の先端への局在を生きた酵母細胞中で観察するため、U1A-GFP融合タンパク質とU1A結合部位をASH1に導入したU1Atag-ASH1遺伝子の発現プラスミドを構築した。この系を用いて、ASH1 mRNAと共局在するRNA結合タンパク質Khd1を見いだした。Khd1はASH1 mRNAのコーディング領域のN末側を介してASH1 mRNAと相互作用する。またその多量発現により、Ash1タンパク質の量が減少する。これらの結果から、Khd1はASH1 mRNAの局所的な翻訳制御の関与する可能性が示唆された。次に、RNA結合モチーフをもつMpt5タンパク質が、HO遺伝子のmRNA3´非翻訳領域に結合し、HO遺伝子の発現を抑制することを見いだした。mpt5変異株では野生型株では起きないHO遺伝子の発現が起きる。これらの結果から、HO遺伝子の母細胞特異的発現には、娘細胞特異的に局在する転写因子Ash1による転写開始での制御に加え、Mpt5によるHO mRNAの転写後の段階での制御も必要であることが明かとなった。今後は、Khd1,Mpt5などのRNA結合タンパク質と、ミオシン、アクチン等の細胞骨格系および翻訳系との相互作用を検討する予定である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Irie, K.: "The Khd1 protein, which has three KH RNA-binding motifs, is required for proper localization of ASH1 mRNA in yeast"EMBO J.. 21・5. 1158-1167 (2002)

  • [文献書誌] Tadauchi, T.: "Post-transcriptional regulation through the HO 3´-UTR by Mpt5, a yeast homolog of Pumilio and FBF"EMBO J.. 20・3. 552-561 (2001)

  • [文献書誌] Inoue, H.: "A Drosophila MAPKKK, D-MEKK1, mediates stress responses through activation of p38 MAPK"EMBO J.. 20・19. 5421-5430 (2001)

  • [文献書誌] Ozaki-Kuroda, K.: "Dynamic localization and function of Bni1p at the sites of directed growth in Saccharomyces cerevisiae."Mol Cell Biol.. 21・3. 827-839 (2001)

  • [文献書誌] Yokoyama, S.: "α-catenin-independent recruitment of Zo-1 to nectin-based cell-cell adhesion sites through afadin"Mol.Biol.Cell. 12・6. 1595-1609 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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