ショウジョウバエの形態形成に異常を生じた新規突然変異体を分離・解析したところ、細胞間相互作用に必須なNotch受容体の糖鎖構造に異常が生じていた。原因遺伝子を同定したところ、Golgi体に局在する分子であった。Golgi体が、蛋白質の修飾に重要な役割を果たしていることはよく知られているが、どのようにして、あのような複雑な構造ができるのかについては、まだまだ不明な点が多い。そこで、現在、この分子にGFP(Green Fluorescent Protein)を融合した遺伝子をもつトランスジェニックショウジョウバエを作成しており、細胞におけるGolgi体の動態を調べることにしている。 この研究は、細胞内小器官の動態を遺伝学的にアプローチできる系として、非常にユニークなものである。
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