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2002 年度 実績報告書

cameleonl分子イメージングによる局所的カルシウム動態の解析

研究課題

研究課題/領域番号 11242208
研究機関特殊法人理化学研究所

研究代表者

宮脇 敦史  理化学研究所, 細胞機能探索技術開発チーム, チームリーダー (80251445)

研究分担者 深野 天  理化学研究所, 細胞機能探索技術開発チーム, 研究員
濱 裕  理化学研究所, 細胞機能探索技術開発チーム, 研究員 (30261796)
水野 秀昭  理化学研究所, 細胞機能探索技術開発チーム, 研究員 (80301779)
キーワードEGF / チロシンリン酸化 / 層流 / photoconversion / ヒユサンゴ / Kaede
研究概要

EGF投与による細胞の局所刺激が引き起こすチロシンリン酸化シグナルの伝播を可視化するため、2種類の蛍光指示薬を細胞内に導入した。更に、EGFを局所的に投与するため流体力学的技術を適用した。流路を狭く、また流れのスピードを遅くすることによって層流を実現させ、一個の細胞がEGFを含む流れと含まない流れにさらされるような状況を作り出した。通常のCOS細胞で実験を行ったところ、局所的EGF刺激に対してチロシンリン酸化のシグナルが刺激部位に留まる様子が観察された。一方、COS細胞にEGF受容体を強制的に過剰発現させて細胞膜上のEGFR密度を上げると、シグナルは刺激後速やかに細胞全体にわたって伝播した。またEGF-EGFRを細胞内への取り込みを阻害しておくと、EGFRを過剰に発現しないCOS細胞でも、シグナルが細胞内全体に伝播する様子が認められた。以上の結果から、細胞におけるEGFRの数(密度)及び活性化したEGFRを取り込んで刺激をクリアする能力が、シグナル伝播の時空間的パターンを決めていることが明らかになった。
彩り豊かなヒユサンゴから新規蛍光タンパク質の遺伝子、Kaedeをクローニングした。Kaedeタンパク質は、UV光によって蛍光波長が緑から赤へ変換する特性(photoconversion)を有することが示された。赤色化したカエデは元の緑の状態と同様に明るく安定で、このphotoconversionは簡単かつ特異的に達成できる。注目する細胞のほんの一部に、ほんの短時間UVを照射するだけで、その細胞全体の色を緑色から赤色に変える技術を開発した。軸索や樹状突起が互いに絡み合う高密度神経培養の系において、まず全体の神経細胞にカエデを発現させて緑色にラベルし、次にpinpointのUV光パルスで、ある特定の神経細胞の細胞体を照射したところ、突起先端まで赤くマーキングされるのが観察された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Sawano A., Takayama S., Matsuda M., Miyawaki A.: "Lateral propagation of EGF signaling after local stimulation is dependent on receptor density"Developmental Cell. 3. 245-257 (2002)

  • [文献書誌] Ando R., Hama H., Yamamoto-Hino M., Miyawaki A.: "An optical marker based on the UV-induced green-to-red photoconversion of a fluorescent protein"Proceedings of the National Academy of Sciences. 99(20). 12651-12656 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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