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1999 年度 実績報告書

眠気の発生と睡眠中の注意機構(見張番機構)の解析

研究課題

研究課題/領域番号 11301003
研究種目

基盤研究(A)

研究機関広島大学

研究代表者

堀 忠雄  広島大学, 総合科学部, 教授 (10020132)

研究分担者 入戸野 宏  広島大学, 総合科学部, 助手 (20304371)
キーワード入眠期 / 注意機構 / ミスマッチ陰性電位 / MMN / 事象関連電位 / P240 / トポグラフィ分析 / 刺激弁別
研究概要

10人の大学生・大学院生(男子5人,女子5人)を対象に,自然終夜睡眠の入眠期におけるミスマッチ陰性電位(MMN)の消長を検討した。標準刺激(1000Hz,出現頻度90%)と逸脱刺激(低逸脱1050Hz,5%;高逸脱1200Hz,5%)を音圧60dB(A),持続50ms,刺激間隔450msで呈示し,各刺激の前100ms,後500msの脳波記録から事象関連電位(ERP)を求め,標準刺激と逸脱刺激に対するERPの差分波形からMMNを求めた。
入眠期の階段判定はHori et al.(1994)に従って,覚醒から睡眠紡錘波出現までを5段階に分類した。MMNはα波期(段階1:覚醒期)及び脳波平坦期(段階2:入眠前期)までは出現するが,漣波期(段階3:入眠中期)以降,頭頂部鋭波期(段階4:入眠後期)や睡眠紡錘波期(段階5:中等度睡眠)で著しく減衰した。MMNの消失と拮抗するように段階4以降で,陽性電位成分(P240)が出現した。この成分は入眠期の進行に伴って振幅が増大したが,それは高逸脱刺激に対してのみ出現し,低逸脱刺激には出現しなかった。P240成分は睡眠中の弁別過程に関与しており,MMNが関与する覚醒中の注意機構とは別に,睡眠時に特有の注意機構が機能していることを示唆している。
以上の結果より,覚醒中の注意機構はα波消失期までは機能しているが,θ波が出現する時期からは睡眠時に特有の注意機構に切り替わることが指摘できる。
トポグラフィ分析からMNNなどの陰性成分は頭皮上の中心・前頭領域に分布し,P240などの陽性成分は頭頂・後頭領域に分布することが分かった。次年度ではこのトポグラフィ特徴が,ボタン押し反応を求めるなど,能動的な刺激弁別課題を導入した時に,どのような対応を示すかを詳細に検討する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Nittono,H.et al.: "Gradual changes of mismatch negativity during the sleep onset period."Sleep Research Online. 2(Suppl.1). 287 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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