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2000 年度 実績報告書

眠気の発生と睡眠中の注意機構(見張番機構)の解析

研究課題

研究課題/領域番号 11301003
研究機関広島大学

研究代表者

堀 忠雄  広島大学, 総合科学部, 教授 (10020132)

研究分担者 入戸野 宏  広島大学, 総合科学部, 助手 (20304371)
キーワード入眠期 / 注意機構 / 睡眠紡錘波 / 事象関連電位 / P300 / P400 / 自律神経系活動 / 血圧
研究概要

入眠期における注意機構の変化を事象関連電位(ERP)により検討した.16名の被験者が実験に参加した.被験者の両耳に装着したイヤホンから標準刺激(1000Hz,出現頻度90%)と逸脱刺激(2000Hz,出現頻度10%)をランダムな順序で,音圧60dB,持続時間50ms,刺激間間隔1450msで呈示した.2種類の刺激を弁別して逸脱刺激に対して行動反応(ボタン押し)を要求する注意条件と,単に聞き流す無視条件を設定した.入眠期脳波段階判定基準(Hori et al.,1994)にもとづいて脳波パタンから5秒ごとに入眠期を5段階に分類し,各段階におけるERPを求めた.覚醒中は,注意条件でのみ逸脱刺激に対して後期陽性成分(P300)が出現した.他方,寝息がはっきり聞き取れる睡眠紡錘波期(脳波段階V)にも後期陽性成分(P400)が出現したが,この成分は注意条件と無視条件のどちらに対しても出現し,P300に比べて後頭部優位の分布を示した.P300とP400は,アルファ波が消えてシータ波が出現する脳波段階IIIで交代した.これらの知見から,(1)脳波段階IIIは覚醒と睡眠の注意機構が入れ替わる端境期であり,(2)睡眠中の注意機構は逸脱した刺激に対して自動的に応答する性質をもつことが示唆された.また,連続指血圧測定装置を用いた予備実験を行い,2つの指に装着した血圧カフの交代間隔や測定姿勢についての最適値を求めた.これらの基礎知見をもとに,次年度は入眠期における自律神経系活動の時系列変化を検討する.
本研究の成果は,第15回ヨーロッパ睡眠学会(2000.9.14,Istanbul,Turkey),第64回日本心理学会大会(2000.11.6,京都),第3回アジア睡眠学会(2000.12.6,Bankok,Thailand),第30回日本臨床神経生理学会大会(2000.12.14,京都)で発表した.

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Nittono,H.,Momose,D.,& Hori,T: "The vanishing point of the mismatch negativity at sleep onset"Clinical Neurophysiology. (In press). (2001)

  • [文献書誌] 堀忠雄: "睡眠中の注意(見張り番機構)と事象関連電位"基礎心理学研究. 19・1. 60-65 (2000)

  • [文献書誌] 堀忠雄,入戸野宏: "眠気の発生と睡眠中の注意機構(1)-入眠期におけるミスマッチ陰性電位(MMN)の変化-"日本心理学会第64回大会発表論文集. 335 (2000)

  • [文献書誌] Ueda,K.,Nittono,H.,Hayashi,M.& Hori,T.: "Topographical changes of slow wave activities before and after appearance of 14 Hz/12 Hz sleep spindles"Journal of Sleep Research. 9 Suppl.1. 195 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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