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1999 年度 実績報告書

現代日本社会に於ける寄せ場の実態

研究課題

研究課題/領域番号 11301005
研究種目

基盤研究(A)

研究機関宇都宮大学

研究代表者

田巻 松雄  宇都宮大学, 国際学部, 助教授 (40179883)

研究分担者 稲月 正  北九州大学, 外国語学部, 助教授 (00232512)
西澤 晃彦  神奈川大学, 外国語学部, 助教授
中根 光敏  広島修道大学, 人文学部, 助教授 (40212089)
狩谷 あゆみ  広島修道大学, 人文学部, 講師
文 貞実  中部学院大学, 人間福祉部, 講師 (20301616)
キーワード寄せ場 / ホームレス / 野宿者 / 都市下層 / アンダークラス / アーバン・プア
研究概要

本年度は,今日の寄せ場の実態に対する予備的な調査と先行研究の収集・検討に重点を置いた。予備的な調査は,東京・山谷,横浜・寿,名古屋・笹島,大阪・釜ヶ崎の四大寄せ場に,東京・新宿を加えた5地区を中心に行なった。この予備的な調査の主な目的は,ホームレスの動向を押さえること,およびホームレスの動向と寄せ場の現況との構造的な関係に関する仮説を構築することであった。99年10月段階の厚生省の発表によると,ホームレスの概数は全国で20,451人である。各自治体で集計を取った時点が異なるため単純な比較は出来ないけれども,同年3月に出された全国集計の数16,247人と比べて4,000人を超える急増ぶりである。
ホームレスの増大には就労問題が深く関わっていることが予備的な調査から明かとなっている。ホームレスの就労面では,従来,「仕事にアブレた建設日雇労働者」に主な関心が向けられ,寄せ場での日雇労働の減少という観点から捉えられるのが一般的であった。しかし,ホームレスの増大は,単なる不況の反映としての寄せ場での求人という面だけでは捉えられない。つまり,建設日雇の就労経路が多様化していること,および建設日雇の労働条件が一般的に悪化しているということが背景としてある。この傾向は,特に山谷近辺で強い。山谷および上野のホームレスからの聞きとりでは,駅や公園での手配によるものや新聞/雑誌広告を介して飯場に入る層が圧倒的に多い。そして,飯場での労働条件は野宿者を再生産しているといく構造が浮かび上がっている。こうした基礎的な事実を踏まえ,建設日雇労働市場のなかでの寄せ場の縮小の背景と意味を検討することが当面の課題であり,現在,各予備調査の結果を集計・分析中で,4月の解放社会学会や日本寄せ場学会の学会誌『寄せ場』での研究発表を計画している。

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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