研究課題
本年度は、3年計画の2年度目に当たっている。各分担者は昨年度に引き続き、各自の研究テーマにそった研究を行うとともに、怪談・妖怪関係の文献の収集および年次計画にそったデータベース化を前提とした情報カード化の作業をおこなった。本年度の研究調査の概要は、以下の通りである。(1)怪談・妖怪関係資料及び民俗調査は、福岡・長崎・愛媛・香川・千葉・青森等を中心に行った。(2)全国の民俗学・郷土資料から妖怪関係の伝承記事を抜き出し、データベース化を前提とした情報カードを作成する作業は、予想を遙かに超える文献があることが判明し、当初の計画よりやや進行が遅れている。だが現在のところ、全国誌レベルの研究誌の主要なもの及び、中部・近畿・中国・四国・九州地域の地方誌の情報カード化が、おおむね順調に進んできている。(3)近世の随筆類からの妖怪記事を抜き出し情報カード化する作業も、おおむね順調に進行している。妖怪民俗の情報カード作業は、本年度の進行状態から判断して、来年度で予定通り終了の見込みであるが、情報量の多さと予算面から、データベース化は困難であることが明らかになりつつあるので、別途に考える必要がある。妖怪民俗の調査は、聞き書きという方法での収集は困難になってきているが、絵巻などの妖怪絵のたぐいは、民間に広く浸透・保存されていることが確認された。この調査の一部は、本研究分担者である常光徹を中心に企画され、来年度開催の国立歴史民俗博物館の企画展「異界万華鏡」に生かされている。
すべて その他
すべて 文献書誌 (8件)