研究課題
基盤研究(A)
本年度は、今後三年間の基礎となる研究体制の整備・確立を図った。まず、共同研究の体制を組んで課題を共有化し、そのうえで、個別研究課題に応じて研究分担者により組織された研究班(総括班、総括班、西大寺史研究班、西大寺文書・聖教盛況調査研究班、古代都城班、歴史地理研究班)が機能するようにした。まず、東京、奈良等での全体会議および共同研究集会を二回ずつ開催し、研究分担者全体での研究状況の把握につとめると共に、絵図・文書・現地についての現状調査を行なった。具体的には、七月の第一回全体会議(於東京)では、東京大学所蔵の西大寺絵図を調査するとともに、研究分担者の報告によって研究課題の共有化を図った。九月の第二回全体会議(於奈良)では西大寺所蔵の絵図群の調査を行ない、絵図に記載された地域の現状を実地で確認し、古代から中世にかけての開発の様相を検討した。さらに、十二月の第一回共同研究集会(於大阪)では、西大寺絵図群の成立と関連の深い、西大寺僧・叡尊の足跡をたずねて和泉地域の律宗寺院をめぐり、所蔵する文書等の調査を行なった。また、それにあわせて、日根荘荘園絵図の故地を調査した。三月の第二回共同研究集(於奈良)では、東京大学史料編纂所が継続的に実施してきた文書の調皿参加するという形で、西大寺所蔵の文書・聖教等を調べた。また、大和郡山市で発掘中の額安寺の遺構を調査し、額安寺伽藍並条里図に描かれた伽藍・寺領の検討を行なった。また、上記の調査と並行して、西大寺文書の整理、西大寺関係資料の集成作業を行ない、コンピューター情報化を図った。さらに、古代荘園絵図に関係する絵図・地形図・航空写真・地誌などの関係資料の収集も行なった。次年度以降は、本年度に整備・確立した研究体制のもと、さらなる研究の進展を図る。
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