研究課題/領域番号 |
11301015
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
国文学
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研究機関 | 大妻女子大学 (2001-2002) 駒澤大学 (1999-2000) |
研究代表者 |
江本 裕 大妻女子大学, 文学部, 教授 (70132131)
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研究分担者 |
岡 雅彦 国文学研究資料館, 文献資料部, 教授 (20044729)
後小路 薫 別府大学, 文学部, 教授 (10140055)
和田 恭幸 国文学研究資料館, 文献資料部, 助手 (20260002)
花田 富二夫 大妻女子大学, 比較文化学部, 教授 (00110205)
深沢 秋男 昭和女子大学, 文学部, 教授 (20165244)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2002
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キーワード | 漢籍受容 / 和刻本 / 仏書 |
研究概要 |
本課題研究の目的は、16世紀中葉から17世紀にかけて中国と朝鮮半島から伝来した、教訓・啓蒙性の強い漢籍及び仏教解説書の、当時の日本文芸界に与えた影響の大きさを確認することであったが(上記伝来本を基にわが国で版行された和刻本をも含む)、4年間にわたる精力的な調査によって、所期の目的をほぼ達成することができた。具体的には、3回にわたる海外調査(中国1回、韓国2回)によって宋版・明版・朝鮮版を披見すると同時に、日本から両国に渡った貴重な古活字版をも確認することができた。また、国内諸機関の漢籍(和刻本を含む)を調査する過程で、16・17世紀のみならず、近世期を通して、中国また朝鮮半島伝来の漢籍がいかに多量に伝来し、日本の文化全般に影響を及ぼしているかを、実感することもできた。特に1650から1690年代にかけてめざましい活動をして多くの著作を残した浅井了意の作品は、その素材の殆どを教訓・啓蒙性の強い漢籍と仏書に仰いでおり、了意関係の資料を海外文献を含めて調査・収集できたことは、今後の近世前期文芸の研究に、新たな展開をもたらす契機となると確信している。 当初の目標をすべて達成しているわけではないが、以下に、研究成果報告書に収めている注目すべき事項をあげると、「論考編」一の『三綱行実図』は、韓国高麗大学校が所蔵する朝鮮版の初印本の紹介である。同じく三・四は浅井了意の仏書に対する書誌解題と刊行にいたる背景の追究論稿で、該稿が学界においても初の試み。「資料編」の一は海外に伝存する和刻稀本の紹介として貴重、二の「海外書誌調査記録」は本研究チームの海外調査本の報告。六・七は本研究が重点項目にした浅井了意関係著作資料の収集成果をしめすもので、近い将来に計画している、浅井了意全集の重要な基礎資料となるものである。
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