研究分担者 |
清家 彰敏 富山大学, 経済学部, 助教授 (10249261)
鈴木 研一 広島国際大学, 医療福祉学部, 助教授 (80309674)
小原 重信 千葉工業大学, 工学部, 教授 (00233601)
塘 誠 福山平成大学, 経営学部, 講師 (80320042)
金井 一頼 北海道大学, 経済学部, 教授 (50142831)
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研究概要 |
技術融合概念ならびに地域産業進化の関連性を考察するために,全体研究会を3回と作業分担に応じた実態調査を実施した。主な研究実績としては,(1)デジタルコンテンツ化による産業構造変化の実態(とりわけ自動車産業,ゲーム産業およびに印刷業界),ならびに(2)技術融合の枠組みの変化(とりわけ化学業界),加えて(3)グローバルな水平産業における技術移転問題(アジア地域を中心)である。(1)の自動車業界において明らかになったことは,CADシステムの導入が最も進んでいる本業界においては,内製CADと,カスタマイズCADの2つに大別されるが,CADシステムへの取り組み方法の差がコスト削減に直結しているとは言い難く,むしろコスト優位性は,工場ラインシミュレータおよびマスタデータ管理の差が大きく利く,ということが明らかとなった。また,ゲーム業界において明らかになったことは,ヒットソフトの販売本数がハードの販売台数に正の影響を与えており,とりわけ広告・期待効果が確認された。続いて印刷業界においては,DTP(desk top publishing)の進展によって,製版印刷プロセスが「中抜き」されだし,中小企業の廃業という実態が明らかにされた。(2)に関しては,コンテンツとプラットフォーム,接着と非接着の正反技術や化学反応と精密加工との異種技術融合,設計技術と情報技術の知識融合などが確認された。最後に(3)に関しては,「模倣」「適応」「開発」の各フェーズにおける技術移転状況を調査した。その結果,フェーズが開発へと進むに従い,ヒューマンインターフェースの問題が顕在化しだし,とりわけ,認知枠組みの共有が極めて重要な課題として浮かび上がった。
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