研究分担者 |
中居 功 お茶の水女子大学, 理学部, 教授 (90207704)
石川 剛郎 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (50176161)
泉屋 周一 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80127422)
佐藤 肇 名古屋大学, 大学院・多元数理研究科, 教授 (30011612)
佐々木 武 神戸大学, 理学部, 教授 (00022682)
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研究概要 |
本研究は,微分方程式系をJet空間の部分多様体として,幾何学的対象ととらえて,接触同値問題を核に,微分幾何学および特異点論の手法で研究することにある。 今年度は、つぎのテーマを中心に研究を進めた。 (1)二階一未知関数偏微分方程式系の接触同値問題,特にE.CartanによるG_2-modelを多変数に一般化したG_2-型偏微分方程式系の研究。 (2)Monge-Ampere方程式の解の特異点と衝撃波の構成。 (3)微分方程式系のsymbolより生じる階別Lie環の研究および高階有限型微分方程式系(完全積分可能系)の同値問題。 (4)線形高階有限系微分方程式系の同値問題の射影部分多様体論とGauss-Schwarz理論への応用。 (1)については、E.Cartanによって発見されたその典型モデルが例外単純Lie環G_2を全接触変換群としてもつ2つのクラスの1未知関数2独立変数に対する二階偏微分方程式系、すなわちGoursat型方程式(完全可積分Monge系をもつ放物型方程式)及びinvolutiveな過剰決定系、の持つ特性を追求して、研究代表者(山口)が、他の例外型単純Lie環に対応する(独立変数の多い)二階偏微分方程式系のクラスを明かにした。 (2)については、泉屋が、これまでの一階偏微分方程式系の解の特異点についての考察を整理した。また、石川が、Lagrange Stabilityの立場で、解の特異点の現れかたを論じた。 (3)については、高階常微分方程式系の同値問題を含み、背足による線形可積分系の線形同値問題を接触同値問題に発展させる研究であり、この可積分系の基本不変量の決定を問題として、山口、八ツ井が共同の研究を開始した。これには、高階有限型微分方程式系のsymbolが定める表象Lie環の構造について、深く研究する必要がある。 (4)については、佐々木が、線形高階有限系微分方程式系の同値問題と射影部分多様体論の関わりを整理した。 また、「ソフイス・リー没後百年国際研究集会」を森本と共同で平成11年12月に京都、奈良で開催した。本研究の課題(1)、(3)、(4)はこの研究集会のテーマに密接に関係しているので、この機会を利用して国外の研究者との意見交換、討論ならびに、研究打ち合わせを行った。
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