研究分担者 |
中尾 充宏 九州大学, 数理学研究科, 教授 (10136418)
小藤 俊幸 電子通信大学, 電気通信学部, 助教授 (30234793)
伊藤 利明 徳島大学, 総合科学部, 助教授 (60201927)
吉田 春夫 国立天文台, 位置天文天体力学研究系, 助教授 (70220663)
杉原 正顯 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (80154483)
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研究概要 |
3ケ年計画の本研究課題の初年度として,研究設備の整備をはかるとともに,研究分担者およびその研究協力者の協力をえて,多彩な研究活動を展開し成果を収めた. 並列計算計算機システムVT Alpha6 500DP2 2台からなる1セットを導入し,保存系の計算に必要な大規模計算を並列化によって効率向上をはかることをめざし,予備的な試験を行っている.この成果は次年度以降に発表する予定である. 主要な研究成果は以下にあげられ,これらは国内外の研究集会において発表されるとともに,学術論文としても多数が発表あるいは掲載予定である. Hamilton 力学系の保存性およびその数値解 可積分な力学系の十分条件,積分を厳密に再現する離散解法の条件,周期性を再現するRunge-Kutta-Nystrom schemeの条件などを明らかにした. 保存系に対する離散解法の並列化 Runge-Kutta法をaccross-the-stepの局所的なレベルで,あるいはWaveform Re-laxationを通じて大域的なレベルで,並列化を進める観点で,その収束性能・並列化効率などを理論・実践の両面で明らかにした. 離散近似解の精度保証 解散近似解の感度解析を自動微分法を応用して大規模化すること,および常微分方程式系に関しても従来の方法を改善することができた. 時間遅れあるいは確率的要素を含む微分方程式系の離散解法 解析的な漸近安定性に対応する数値的安定性を持つ離散変数法を系統的に研究し,主として線型安定性に関する成果をえ,その解析と実際への応用を展開することができた.また,確率微分方程式と量子化学的現象論との対応関係について考察と結果をうることができた.
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