研究分担者 |
杉原 正顯 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 教授 (80154483)
小藤 俊幸 電気通信大学, 電気通信学部, 助教授 (30234793)
小澤 一文 秋田県立大学, システム科学技術学部, 教授 (20100753)
吉田 春夫 国立天文台, 位置天文天体力学研究系, 助教授 (70220663)
前田 茂 徳島大学, 総合科学部, 教授 (20115934)
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研究概要 |
3ヶ年計画の本研究課題の最終年度として,研究分担者およびその研究協力者の協力をえて,研究課題の達成をめざして多彩な研究活動を展開し成果を収めた.主要な研究成果は以下にあげられ,これらは国内外の研究集会において発表されるとともに,学術論文としても多数が発表あるいは掲載予定である. Hamilton力学系の保存性およびその数値解 可積分なHamilton力学系の十分条件,積分を厳密に再現する対称的離散解法の条件,逆にsymplectic数値解法による第一積分の非保存の条件などを明らかにした. 変分原理に基づく保存的数値解法 保存系ではしばしば変分原理が背景にあって,それが微分方程式を導いていることがある.この変分量を離散化することによって,従来の差分解法が説明できるとともに,新たな方法を系統的に生み出すことが可能となる.さらに,この方法は散逸系にも有効であることが示された. 保存系に対する離散解法の並列化 Runge-Kutta法をaccross-the-stepの局所的なレベルで,あるいはWaveform Relaxationを通じて大域的なレベルで,並列化を進める観点で,その収束性能・並列化効率などを理論・実践の両面で明らかにした.また.それらの方法のプログラム化にも取り組んだ. 離散近似解の精度保証 常微分および偏微分方程式系に関する精度保証離散近似解を,流体力学の方程式を中心に展開した.同時に渦法(vortex method)による流体運動の解明が進んだ. 時間遅れあるいは確率的要素を含む微分方程式系の離散解法 解析的な漸近安定性に対応する数値的安定性をもつ離散変数法を系統的に研究し,主として線型安定性に関する成果と,その周期解の構成の条件をえた.また,これを競合的生物種の共存関係における保存・非保存の条件へと発展させた.また,確率微分方程式の離散変数解法における問題点とその解決について研究を進めた.
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