研究課題/領域番号 |
11304006
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
谷島 賢二 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (80011758)
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研究分担者 |
真島 秀行 お茶の水女子大学, 理学部, 教授 (50111456)
儀我 美一 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70144110)
井川 満 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80028191)
中村 周 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (50183520)
堤 誉志雄 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10180027)
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キーワード | シュレーディンガー方程式 / シュレーディンガー作用素 / 散乱理論 / スペクトル理論 / 非線型波動方程式 / ナビエ・ストークス方程式 / 超幾何関数 / 代数解析 |
研究概要 |
この研究では自然現象や社会現象を記述する線形・非線形の常微分・偏微分方程式について様々な角度から総合的な研究を行った。研究代表者・協力者が本年度中に得た主要業績は以下のとおりである。 1.研究代表者および中村周はシュレーディンガー方程式あるいは作用素について研究し、(1)自由方程式・調和振動子の初期値問題の基本解の無限遠での挙動はo(|x|^2)の摂動に関して安定であること、(2)シュレーディンガー方程式に対する散乱の波動作用素はL^P空間において連続であること、(3)非線形強制振動による時間周期的量子系のFloquet作用素のスペクトルは絶対連続であること、(4)調和振動子のある種の超線形摂動の基本解の準古典近似は共鳴時刻において、特異に発散することを示した。また、(5)スペクトルシフト関数のtrapping energyにおける準古典解析を行い、(6)磁場を含むシュレーディンガー作用素のトンネル効果の準古典的な評価を与えた。 2.儀我美一は、NAvier-Stokes方程式の空間的に減衰しない初期値をもつ解を二次元空間において構成した。 3.堤誉士雄は伝播速度の異なる連立非線形分散型方程式の初期値問題の解、あるいは強い特異摂動項をもつKorteweg-de Vries方程式の初期値問題の解の構成に成功した。 4.真島秀行は代数解析的手法によってある種の多変数特殊関数に成り立つ一般的性質を導いた。 5.井川満はいくつかの凸物体の外部領域における波動方程式の散乱行列の極に関する新たな知見を得た。 以上の研究の推進のため各々の専門分野に関する研究セミナーを日常的に行い、テーマをしぼった研究集会、「夏の学校」、「冬の学校」を開催し、内外の専門家・関連分野の研究者を招へいして幅広い研究交流・情報収集をおこなった。また研究分野に関連した国際研究集会に参加して研究成果の発表、研究情報の収集を行った。
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