研究分担者 |
真島 秀行 お茶の水大学, 理学部, 教授 (50111456)
儀我 美一 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70144110)
井川 満 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80028191)
中村 周 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (50183520)
堤 誉志雄 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10180027)
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研究概要 |
11年度に引き続き,自然現象や社会現象を記述する線形・非線形の常微分・偏微分方程式について様々な角度から総合的に研究を行った。研究代表者・協力者が本年度中に得た主な業績は以下のとおりである。 1.研究代表者および中村周はシュレーディンガー方程式・作用素について研究し(1)ポテンシャルが無限遠でV(χ)【greater than or equal】C|χ|^<2+δ>,0<δをみたすシュレーディンガー方程式の解は基本解の特異なふるまいにも拘らず平滑化作用を持つこと,(2)そのようなポテンシャルをもつ非線形シュレーディンガー方程式の初期値問題は局所的にwell-posedであることを示した。また(3)ランダムな磁場を持つシュレーディンガー作用素の状態密度関数のLifshitz tailの指数を決定し,(4)Bargman変換による超局所解析の手法を開発し相空間におけるトンネル効果の準古典解析を指数的誤差評価つきで行った。 2.儀我美一は非線形偏微分方程式の弱解のあらたな概念を導入し,ショック解などこれまで困難であった非線形偏微分方程式の解の構造の研究への道を開いた。 3.堤誉志雄はアインシュタイン方程式など非線形連立波動方程式系の初期値問題と解の大域的な性質の研究を行った。 4.真島秀行は合流型超幾何関数の二次的な関数関係式を代数解析的手法によって導いた。 5.井川満は波動方程式のいくつかの凸物体による散乱行列の極の分布についてのより精密な結果を得た。 以上の研究の推進のため,研究代表者・分担者の属する機関での定常的な研究セミナー,各専門分野におけるテーマをしぼった研究集会,「夏の学校」,「総合研究集会」を開催し,内外の研究者を招へいして情報収集を行った。また研究分野に関連した国際研究集会に参加して研究成果の発表と研究情報の収集を行った。
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