研究概要 |
平成11年度科学研究費交付申請書に掲げた具体的課題の項目ごとに今年度の研究概要を示す。 1 超幾何系E_<3,6>の関連する幾何学:佐々木は,3次曲面のモジュライ空間を一意化する超幾何系として,E_6型ワイル群の不変性を持つ微分方程式を決定した. 2 周期写像とミラー対称性:齋藤は,アーベル多様体の族をもつカラビ=ヤウ多様体のA-モデルプレポテンシャルの決定,及びシエーンのカラビ=ヤウ多様体に関するミラー対称性の検証を行った. 3 表現論に由来を持つ超幾何・パンルヴェ系:野海・山田は,一般のルート系に対してそのワイル群を双有理正準変換群として構成する系統的な方法を与えた.アフィンルート系の場合に,これをベックルント変換群にもつ一般パンルヴェ系を構成した.この双有理変換群は,ルート系に付随する離散可積分系の基礎付けと見なすことができる. 4 ガルニエ系の初期値空間と対称性:高野は,パンルヴェ方程式の定義空間のハミルトン構造を利用したパンルヴェ性の証明を与えた.齋藤は、代数幾何の観点から岡本・パンルヴェ対の分類を行い,そのハミルトン構造の決定を行った.
|