研究課題/領域番号 |
11304011
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
天文学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
芝井 広 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70154234)
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研究分担者 |
中川 貴雄 宇宙科学研究所, 宇宙圏研究系, 教授 (20202210)
佐藤 紳司 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助手 (60192598)
川田 光伸 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 講師 (50280558)
土井 靖生 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助手 (70292844)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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キーワード | 赤外線 / 銀河 / 星間物質 / 星間ガス / 遠赤外線 / 気球望遠鏡 / 星生成 / 赤外線センサー |
研究概要 |
遠赤外スペクトル線の分光観測によって近傍系外銀河の星間ガスの診断を行い、銀河星間空間の電離、解離構造、エネルギーの流れを定量的に明らかにすることが本研究の主目的である。まずこのために「イマーショングレイティング」という新しいタイプの反射型グレイティングが実用化できることを示した。このグレイティングは小型でありながら高い波長分解能を達成できるものである。屈折率3.4のシリコン単結晶を用いると、約10cmの素子で約10000の比分解能が得られる。境界面での反射を防止する膜に関しても技術的に十分に可能である。しかしながら、実際に使用する巨大なシリコン結晶が極低温において遠赤外線にたいして十分な透過率を持つかどうかが問題である。そこで極低温で大きい試料の遠赤外線透過率を正確に測定できる装置を新たに作成して、8cmまでのシリコン単結晶の透過率を測定し、総合的に50%以上の透過率を持つことを確認した。また、このグレイティングを用いた遠赤外分光器の基本的な設計を行った。一方、この分光器に用いる二次元遠赤外アレイセンサーの製作、及び、冷却光学系の製作を行った。 さらにヨーロッパの赤外線天文衛星ISOの遠赤外分光観測の結果を詳細に解析することによって、銀河系の代表的な大規模星生成領域であるカリーナ領域の星間空間について、シリコンの存在形態についてこれまで知られていなかった重要な知見を得たので、成果を発表した。 これらと平行して、銀河星間空間の固体微粒子(ダスト)の物理的性質を数少ないデータから精度よく推定する方法を考案し、銀河系その他に適用して星間空間の性質に関してこれまで知られていなかった重要な知見を得たので、成果を発表した。
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