研究課題
平成13年度実施計画に沿って研究を行い、以下に列挙する成果を得た。1.高純度鉄の圧力下非磁性状態における超伝導相について実験的追求を行い、圧力-温度相図を完成した。結果は、圧力域15GPaより35GPaにおいて超伝導が出現する事を確認した。Tcの最大値は約20GPaにおいて2Kであった。尚圧力上昇・下降に伴うヒステレシスが殆んど無い事、及びその結果、Tcの圧力依存に残存強磁性bcc鉄が寄与しない事が明らかとなった。2.鉄に続きマンガンについても反強磁性消失の起る圧力域で超伝導探索を行ったが超伝導性発見には至っていない。実験結果は従来の反強磁性消失圧力域より高圧側に尚新しい磁気相の存在を示唆するものであった。3.理論的には第1原理バンド計算により、Tcの値が決定された。現在、実験でTcの見出された圧力域における理論値との対応を行いつつある。4.重い電子系UGe_2において強磁性相内の超伝導相について詳細な実験を行い、新しい磁気相との関連を比熱・電気抵抗より明らかにした。
すべて その他
すべて 文献書誌 (7件)